何もない日の素晴らしさ

夫のお世話になった方が亡くなった。そんなに年も上ではなく、兄のように慕い・時に反発し・相手の懐の深さで自然と仲直りできた話を何度も聞いた。

亡くなったのは不慮の事故によるものだった。交通事故とは違う、まったくこれまでに思いつきもしなかった理由だった。少し前にバッタリ会ったときはあんなに普通だったのに、と夫は細い声で言う。

つい日頃から「病気にならないように気をつけなくちゃ」「交通事故に遭わないように安全運転で」と言っているけど、その一方でそれ以外の理由で亡くなることもあることを忘れがちだった。

私達が結婚するときにはその方も披露宴に招待した。結婚式にありがちな「花嫁の手紙」を、私は両親に向けて読んだ。つまり亡き父にも読んだわけで、後日その方は「自分が親になったら、あのような手紙を親目線で聞いてしまう。ましてや自分がもし死んでしまって、と想像したら……」と仰っていた。まさかそのときは、今回のような未来が来るなんて思ってもみなかった。

明日もまた普通の一日が始まる。特別な何かがなくたっていい、ただいつものように家族がいてしあわせに暮らすことができれば。

スターバックスのコーヒーセミナーへ

コーヒー沼に足を踏み入れたからには、いつかスターバックスのコーヒーセミナーに行っておかねばと思っていた。そして今月、それを成し遂げたのでここに記しておきたい。

まずは予約が必要である。私はインターネットで予約したが、店頭予約も可能のようだ。結構人気があるのか、私が入力したときは入門編以外は満席だった。地域性もあるだろう、東京などの都市部は開催地も多く取りやすそうだ。どちらにしても今回私は初めてということもあり入門編を予約した。

当日、開始時間までにそのスターバックスのレジに行きコーヒーセミナー受講の旨を伝える。名前を言い、代金を支払う。その際コーヒーの豆を購入するときに貰えるスタンプカードにスタンプを貰うこともできる。私のスタンプカードは最新が数年前のスタンプだったので新たに作り直した。

指定された席に行くと、コーヒーセミナーの準備がされていた。通常数名での受講だが(定員は予約時にそれぞれ示されている)、今回は私を含め二名。明るく会話をしてくださる女性で、楽しい時間となった。

セミナーは講師による、ということを受講しながら実感した。講師は通常黒エプロンの方が担当されるようす。今回の女性も黒エプロンで、最初から最後まで彼女のコーヒー愛が伝わってくるものだった。お客さんにコーヒーを好きになってほしい、という気持ちがあった。入門編セミナーで使用する豆は講師が自由に選ぶそうだが、フレンチプレスで淹れるものとオリガミ(個別のペーパードリップ)で淹れるものの違いをわかりやすくするために両方同じ豆にしてくれた。多くの講師は「できるだけ色んな豆を楽しんでほしい」ということから違う豆で淹れるそうだが、私はこの同じ豆で淹れるというパターンで良かったと思う。もう一人の受講者も同意されていた。

また、少人数だったことから質問もじっくり聞いてもらえた。私は以前飲んだスターバックスリザーブの濃厚さ・強烈さ、及びフードとの兼ね合いについて確認してみた。すると、私がそのとき飲んだルワンダ ムササのようなアフリカの豆は個性が強いというお返事をいただいた。言われてみればかつて飲んで気に入ったコスタリカラテンアメリカだ。地域によりそのような違いがあるのだな。

セミナーではお土産もいただいた。まず「コーヒーパスポート」(記事下部写真参照)。これはリザーブを飲んだあとネットで調べて「お店で貰えば良かった」と後悔していたものだった。スタバで扱う色んな豆の感想を書くスペースや、コーヒー豆知識が書かれており良い勉強になる。

それから写真には載せていないがスターバックスの支払いに使えるスターバックスカード(のチャージしてないもの)も。私はすでに他の柄を持っているが、これはコーヒーセミナー受講者に与えられるカードのようなので記念になった。

セミナー終了後も、つい一緒に受講した女性とコーヒーについて語り合ってしまった。女性は山でコーヒーを飲むのがお好きだという。「どこで飲むか」も重要だよね、なんて素敵な趣味なんだ!また別のセミナーをご一緒したいし、連絡先をお伝えしようかな、と思いつつそのまま帰ってしまったのが悔やまれる。つい恥ずかしさが先に立ってしまったのだ。今度会えたらちゃんと連絡先渡そう、そのためにも次もここのセミナーを受講したいな、と思う次第。

思いがけず充実した時間に心が踊った。こんな学びの時間も大切だ。……と書きながら本来の学び(放送大学の試験勉強)が目の前に。さあ切り替えは済んだ、始めよう。

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放送大学カミングアウト

今週から放送大学の単位認定試験が始まる。この単位が取れるまで家族には放送大学のことを秘密にしておこうかと思ったが、少し前に夫と資格取得に関する話になり、その流れでカミングアウトしてみた。

夫のリアクションは「またこっそりやっとったか!」だった。

前回の通信制大学編入から卒業にかけては、あらゆる手続きをしながら「こんな大学があるんだよ、面白いねえ」と話題をふり、入学して数日してから「この間面白いって言った大学、いま入ってるから。学費は私の独身時代の預金から出してるから」と事後報告したという経緯がある。それに対する夫の反応は「家事と育児に差し支えなければいいよ」であった。

実際は家事と育児を優先しつつも、心の中でレポートの進捗にハラハラドキドキしたり、家事をしながら授業動画を見ていたりとギリギリのラインを綱渡りしていた不良主婦だったと思う。そして現在、落ち着いたように見せかけて時々勉強していた。そこで夫の前述のリアクションである。

カミングアウトしてからも、私は家族の前で勉強していない。火曜には早速一科目試験があるが、勉強は途中までしか進んでいない。私は今日一日の家事を終え呑気にお茶を飲みながらスマホでこれを書いている。お茶の名前はパラダイス。なんというスリル、なんという落差。明日果たして勉強は間に合うのか。いい歳こいた今もこんな学生気分を味わえるなんて、体に良いやら悪いやら。とりあえず早寝でもしよう。

昨日の続き/いいねの基準

昨夜、夜中に若林正恭さんの『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読み終えた。素晴らしいひとり旅だった。ラストの部分(最終日から東京)の書き方も素敵。やはり旅は帰宅し自分の人生と照らし合わせてこそ旅なのだ…なんて偉そうなことを思ってみる。このブログでも書いた「山岳地帯への旅」のことも思い出す。

Facebookの、ある友人の「いいね」の基準がわからない。もともとあまり「いいね」を押さない人で、自分の投稿に「いいね」が付くと「おっ、今回の投稿はこの人がいいねを押すレベルの内容だったのだな」とニヤリとしてしまう。

先日「この内容はあの友人もいいねを押すのではないか」と思いながら投稿するとリアクションが無く、その友人は同時期に更新された別の友人の投稿に「いいね」をしていた。内容を見ると、今までのいいねからすると意外な「いいね」であり、ますます基準がわからなくなった。

そんな基準どうだっていい、というのは私も思う。単に読み逃しているだけかもしれないし、他者の投稿にいいねを押す義務もない。ただ、私はあの人のセンスを買っているのだ。あの人のいいねがあると、投稿のレベルに値する内容だったのだと安心するのだ。

だから当人に直接「あなたのいいねの基準を教えてくれ」と言ってもいいところだが、それはそれで悔しい。なんか負けた気がする。それに相手に変な人と思われてしまうし!(そこらへんは常識人を気取りたい)

そう、これは相手との戦い(?)のようで、自分との戦いなのだ。そんなくだらないことを考えながらFacebookに投稿しているのは私だけだろうか。きっと日本に五人くらいいるのではなかろうか。

夏のひとり旅

子どもの夏休みが始まった。とはいえ学校に用事はチラホラあり、子どもを連れて行きその流れで図書館へ。やっと予約していた『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか』が手元にきた。ついでに子どもの本もいくつか借りる。

おやつ休憩をし、必要なものの買い出しをして今度は本屋に行ってしまった。買ったものは写真のとおり。

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ドラえもんは子どものリクエストだが、私も読みたかった。夏休みには一冊くらい漫画を読んでもいいじゃないか、ということで。

そして私が選んだのはオードリー・若林正恭さんの本。タレント本と侮るなかれ。若林さんといえばあのM-1の夜を綴ったブログが有名と思う(残念ながらもう削除されているはず)。あのぞくぞくするノンフィクションをまた読むことができるのだ。しかも今回はキューバの話。現在五十八頁まで読んだけれど、キューバに旅立つ以前のエピソードからグイグイ引き込まれる。

他にも「せきしろ」さんや「燃え殻」さんの新刊もそそられたが、より自分に近いのはこの本だと感じた。ノンフィクションに近いフィクションより、今はノンフィクションが読みたかった。早くも読み終えるのが寂しいから、じっくりじっくり読んでいかねば。それでも今夜には読み終わってしまうのだろう。

若林さんのひとり旅を読みながら、かつて自分もひとり旅をしたのを思い出した。そもそも自分は、社会人として稼ぐようになったらひとり旅をしまくりたいと思って生きていたというのに、つい友達や知人の居る場所を旅先にしてしまったり、友達や交際相手と旅をしてしまっていた。盆正月も仕事の電話が繋がる場所にいなければならず、海外に行くこともなかった。長く好きだった人に別れを告げ本当にひとりになってしまったとき、純粋なるひとり旅をしようと思い立ったのだ。

その旅先は兵庫県岡山県香川県だった。どれも建築物を見ることをメインとした。香川県は直島。2007年のことだったが、当時も今も考えてみると割とベタな場所だなと思う。しかし自分の裁量で旅をするのは楽しかった。トラブルも楽しみも自分次第。現地の人や他の旅行者とも会話を楽しめる。

こんな旅をする私を面白がり、つられて同じようにひとり旅をした男性がいた。やがて我々は二人でいろんなところへ出かけるようになった。その男性こそ、現在の夫である。不思議なものだ。ひとりで生きることに目を向けた結果、ふたりになったのだから。自分に目を向け心を落ち着かせることでいろんなものが見えてくるのだろう。

さあ若林さんはどんな旅をするのか。続きをもう少し読んでから、夕飯を作ることにしよう。

ルビンの壺の件

約一週間前に公開されたこのお話、もう読まれただろうか。

金曜の夜にツイッターで発見し、何となく読み始めたところ面白くてあっという間に読み切ってしまった。あまり感想を書くとネタバレになってしまうから、かなり慎重に行かねばならない。ルビンの壺、割れました。読んでいるうちにある程度予測できるけれど、あのラストはまさにルビンの壺。タイトルが素晴らしい。

これにキャッチコピーをつけるのは難しいけれど、このツイートのリアクションにもあったように「キャッチコピーつけられない」というのをキャッチコピーにすれば良さそうである。このようなキャンペーン、かなり興味をひきつけるから。

そしてこの往復書簡という形態や語り口、少し昔の文学(太宰治など)を思い起こさせる。パソコンやFacebookといった現代のアイテムも登場するけれど、まるで学生運動を体験した世代の話のように思える(実際はそれより十歳くらい下の世代だろうか)。そのしっとりとした雰囲気もまた読後に効いてくる。

検索すると否定的な意見もみられるが、私はこれ結構好きだ。先が読めても読めなくても、あのラストは楽しめるし、もう一度最初から読み返したくなる。「情報のあと出し」に怒る声もあったが、あれはあと出しだから良いのではないかと私は思う。

 

夏宣言/ミルの挽き加減

数日前、近隣の街路樹が剪定されているのを見かけた。暑くなるにつれ伸び放題になっていたから、いっそのことバッサリといってしまって…と思っていたが整える程度であった。多少は葉が必要なものなのだろうか。それとも信号待ちの日陰を求めているのだろうか。日傘を下ろし木の下に立ってみると涼しい風が吹いた。梅雨のジメジメとした空気ではなかった。これは夏でしょう?

先日の蝉の件を子どもに問うてみる。先生に翌日確認したら「あの日の夕方、最初に見つけた場所に戻しておいた。けれど翌日には居なくなっていた。抜け殻もなかった」と返ってきたそうだ。もう夏でいい。気象庁の基準とは違うけどそれでいい。

ここ数ヶ月、忙しさのあまり諸々体調を崩しがちだった夫。慣れてきたのか回復傾向にある。けれど仕事の大変さが解消されたわけではない。転職活動を裏で進めながら少し気分を紛らわせているようだ。季節が変わることでふと立ち止まると、自分たちが少しでも良い方向に進んでいることに気づくことができる。

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先日Marさんにいただいた珈琲(マラウィ ポカヒルズ チャカカ)をじっくり堪能した。実はもう一袋いただいていたものを開封する。こちらは「インドネシア スマトラマンデリンソフィ」。電動ミルで同じ時間挽いてみる。これもまた美味しい。深めの焙煎が活きている。

同時にディカフェのものも挽いてみようと、初めて行く店で豆を購入してみた。こちらはある南国の珈琲。その南国は、元クラスメイトが滞在していたことのある土地。私は元クラスメイトとほとんど話したことがなかったが、私の持っていた下敷きを見て「それYAWARA?*1」と元クラスメイトが言ってきたことをよく覚えている。聞かれたことがあまりにも意外で印象に残ったのだ。

何かを検索しているうちに元クラスメイトのブログを見かけ、情報をSNSで受け取るようになった。その南国の治安の悪さは元クラスメイトが当時綴っていたブログでよく知っている。そもそもパソコンやスマホを持っているだけでも危なそうだ。そんな場所で生産された珈琲、いったいどんな味だろうと思ったら……まずい!なんだこの味は!豆の汁の味がする!渋いというか、エグい。珈琲なんだから豆の味がして当然なのだが、なぜこんなに美味しくないのだろう。そこでやっと私は気付いた。挽く時間が長すぎるのではないかと。

Marさんにいただいた珈琲は、最初電動ミルで20秒挽き、もっと挽いてもいいかもと判断して30秒挽くようにしていた。それでつい、南国の珈琲も同じように挽いてしまったのだ。そりゃ豆によってはエグみも出るはずだ。というわけで15秒にしてみる。すると程よく酸味のきいた、美味しい珈琲が出来上がった。ごめんよ南国の珈琲、まずいとか言って。私の挽き方が悪かったのに……。

というわけで、まずは挽く時間を調整して味を判断せねばならないということを思い知った次第。つい、珈琲ノートに「美味しくない」と書いてしまったけど、訂正して記入し直しお詫び申し上げます!

 

追記。南国の地名はさすがにダイレクトすぎたので修正しました。

*1:アニメのYAWARAのことです