文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作っています。

第29回文学フリマ東京:お礼と出店レポート(やっぱり長文)

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1週間以上経つのにお礼も申し上げぬままブログも中断、失礼いたしました。おかげさまで無事出店することができました。ご来訪・お買い上げのみなさまに心より感謝申し上げます。3回目でありながら、発見・刺激の多々あるイベントでした。

毎年のことながら長文ですので、目次からお好きなところをお読みくださいませ。

山口の空港から東京へ

これまた毎度のことながら、文フリの前日は通信制大学の仲間と宴を催すのを楽しみにしております。これもまた友人たちの協力のおかげです。昼ごろ東京に着いてホテルでゆっくりして待ち合わせ場所へ…という流れが定番だったのですが、今回は16時に羽田に到着しました。なぜなら、山口県岩国空港から羽田へ飛んだためです。

広島市広島県の西寄り、比較的山口県側に存在し、県境に位置する山口県岩国市は非常に身近な存在です。私の友人は学生時代からずっと岩国に住み、広島市の学校・会社に通学通勤していました。新刊『ゴミ処理場の静と動』でも触れていますが、広島駅から岩国駅は在来線で50分程度。なんと、広島駅から広島空港にリムジンバスで行く時間と大差ないのです。

従って、あの日本三景・宮島(広島県廿日市市)に観光に行こうと思ったら、岩国空港の方が圧倒的に近いわけです。岩国市は米軍基地と化学工場で(それから錦帯橋という橋でも)有名な街です。ビジネスで広島・岩国をセットで訪問する場合、岩国空港の方が便利です。

ま、我々の場合「岩国空港のそのフライトに限り早割で一人8,000円台だったから」というのが一番の理由なんですけどね。出発時間がゆっくりだったぶん、子どものピアノ練習もみっちりできたし!

当日朝:到着と設営

これもまた新刊に絡む話ですが、マリオット系列の某ホテルにポイントで宿泊。子どもを起こし朝食を堪能、電車とモノレールで移動して出店者入場開始間近に現地到着です。過去の出店はいつも10時15分くらいに到着していたので入場に時間がかからなかったのですが、今回は長い行列に並びました。出店者だけでこんなに居るんだなあ、と圧倒されます。会場が2つ(1階と2階など)に分かれていないぶん、列が長かったのかな?とも思います。

自分のブースにたどり着いたのは10時10分か15分ごろ?だったかな?記憶は曖昧です。ブースには既に事前発送の荷物を置いていただいていました。ありがとうございます(本来は自分で島の端にある置き場に取りに行く)。今になって気づきましたけど…宅配の伝票って差出人の住所と本名モロバレのモロ晒しですね…。みんな自分のブースの準備に忙しいから見ないだろうけど、その気になれば見れますね。こういうのはどうしたらいいんだろう。差出人住所はヤマトの営業所とペンネームにして良いものなのでしょうか?

今回はリハーサルをしたせいか、設営はこれまでで一番スムーズだった気がします。リハ大事。でもしまや出版さん?のお釣り入れボックスが無かった。。あれを組み立てるのを楽しみにしていた我が子が残念がっていました。

その後、見本誌とチラシを置きに。今回、会場から一旦出て見本誌の部屋やトイレに行かねばならないのが若干困りました。スペースのキャパ的にしょうがないのは重々承知しております。

そして文学フリマ開始!

今回は周囲の方とのご挨拶も自主的なもののみ、なんだかいつの間にか「もう時間ですね、始めましょう!」みたいな感じでドタバタと始まりました(過去3回しか文学フリマというものを知らないくせに、知ったげにすみません。もしかして我々が見本誌を置いているときに挨拶タイムがあったのでしょうか)。お隣の「旅先各国の布地で表紙を作った旅行本」を販売する豆本Plava Stabloさんがいつも大人気で、それに比べて私の本はスロースタート。「ママ、売れないね…」と我が子に心配される有様。いやいや、毎回ウチはバカスカ売れるお店ではないでしょ。

それでも徐々に立ち寄ってくださる方が。皆さん、ありがとうございます!さらにご購入いただいた方、本当に本当にありがとうございます!買っていただくに見合った本を作りたい、私が欲しいと思う本を作りたい、と作ってきましたけど、それが現実になることの喜びを今回もひしひしと感じました。あとは本を楽しんでいただければ。もう、それをひたすら祈るばかりです。

お客様とのやりとり

お客様にお尋ねすると「見本誌を読んで来ました」と言ってくださる方が多かったです。あの見本誌コーナー、見てもらえているんだ!とさらなる感動。応援に来てくれたお友達も「見本誌コーナーでゆっくりしている人、多かったよ」とのこと。

さらにお客様より既刊『あなたの知らない宮島』について「厳島神社の神様が弁天様だという指摘はしなくていいの?」とのお尋ねがありました。弁天様、つまり女の神様だから宮島にカップルで行くと別れるという噂が、という話です。「カップルで行くと別れる」というのが噂であるところから、神様の話は敢えて触れなくてもいいかと省略しておりました。女性の生き様について考えるオチになっている以上、そこと絡めても良かったのかもしれないな、と今になって思ったりしています。

そして、今回の新刊『ゴミ処理場の静と動』をお買い上げのお客様で、ゴミ処理場の設計に携わっているという方がいらっしゃいました!そんな専門家の方がこの場にいらっしゃったとは!驚きと緊張が入り乱れましたが、この本が専門家の目にどのようにうつるのかというワクワクした気持ちもあります。

自分もちゃっかり戦利品

合間を縫って、というかお友達のMarさんにブースをお願いして、私もいくつか本を購入いたしました。事前にメモした全てを回ることができなかったけれど、それだけたくさんの人やブースがあり限界でした。しかしやっと今年Jさんの応援ブースに行けたのがうれしかったですw このブログを長くお読みいただいている方はご存知と思いますが、Jさんは私の本を初めて購入してくださった方なのです。出店関係者さんであるのを知ったのが去年の当ブログ上、今年ようやく応援サークル名が判明しましたw(Jさんのご許可を得ていないので、当記事においてどのブースかは伏せております)

<購入した本(行頭のリンク先は文学フリマ東京Webカタログ、たぶん購入順)>

ペレグリノス:『サラカミ』、『Tunocoの西安敦煌旅行記
臨場感のある旅行記として私の中でおなじみのペレグリノスさん。サラカミはペレグリノスさん関連で一番最初に手にとって欲しい本です(勝手に宣伝)。巡礼の入門としてふさわしいですし、読んですぐツイートもしてしまったのですが、あのエピソード、本当にお気に入りなんですよ私は。
つのこさんの本は最新の海外旅行のリアリティが楽しい!電子マネー事情や仮眠カプセルなど。そして兵馬俑は芸術史を学んだ者の琴線にビンビン来ます。やはり『キングダム』ですか。大学の芸術史の先生も『キングダム』に触れていた記憶がw 読もうかな…

トーカ:『踊り子さんの来る街 広島第一劇場の日常』
広島で知らぬものは居ないと言っていいストリップ劇場、第一劇場の本です。私も入ったことは無いですが知ってます。あの有名なお好み焼き店・八昌の隣にあるから。エロスというよりも肉体美の世界で、まるでコンテンポラリーダンスに関するフォトエッセイを読んでいるようでした。民藝だの市民の芸術だのいうけれど、これこそ芸術です。見守るかのように通うお客さんも微笑ましくて。

ひやそのほかの:『ひやそのほかの』創刊号、『VHS YEAH! ZINE ばななぼーと』3
菊池依々子さん創刊号おめでとうございます!詩や短歌も素敵ですけど、依々子さんの文章、すごくグッと来ました。「産む」というテーマは、産む人も産まない人も産みたくない人も産みたい人も、特に女性は避けて通れません。それゆえに惹かれた部分もあった気がします。ちなみに宮島は出部屋の逆で産んだらダメな島でございます(と自分の担当分野を絡めてすみません)。
そしてヤジベエさんの『ばななぼーと』!福山に転勤されて初の新刊!広島県民としても見逃せません。坂上忍のVHSのことは、きっと一生忘れることは無いでしょう…。あれからテレビで坂上忍を見るとこの本のことを思い出してしまいますw

映画&交通研究会:『CINEMA TALK』vol.4
「親子と映画」という副題に興味を持ち購入。国内・海外問わず親子の関係性について描かれた映画が紹介されていました。いいなと思ったのは、登場キャストが全て役名とイラストで紹介されているところ。見る前に脳内が俳優のイメージにならずに済みます。イラストレーターさんの本だけあって、イラストを眺めているだけでも楽しいしイメージが掴めます。
後で気づいたのですが、ここはあのマサムネくんのブースでもあったのですね!マサムネくんの本も気になっていたのに、ずっと情報を詳しく調べぬままで。CINEMAの本ばかり眺めて全く目に入っていませんでした。今度こそー!

LOCUST:『LOCUST』vol.3
昨年秋の文フリ東京、これを買ってテンション爆上がりでした。商業雑誌レベルの完成度、そして字がみっちりあるのが好きな人にオススメの『LOCUST』。旅界の『QUICK JAPAN』とでも言ったらいいのかな。毎号一つの地域が設定され、そこへの旅記録やそこに関するコラムが満載とあって旅好きも必読です。

郷里の娘:『キャバレー千夜一夜の記録』
ずっとずっとずっと欲しかった「郷里の娘」さんの本。このブログでもかつて言及したことがある「白いばら」の元キャストさんたちによるものです。今回の新刊は都築響一さんゲストのイベント書き起こしがメイン、これまでの活動を締めくくる内容ということで、何があっても手に入れねばと思っておりました。あー、生バンドのお店というものを味わってみたかった!!!(急に感想)

メゾン文芸部:『準備の季節』
新刊の中から選んだのは短歌本。ここ1〜2年、短歌本を読むようになって気づいたのは「行間に漂う空気からその人の人生を想像する」ことや「自分の人生や考えにフィットする短歌に出会った瞬間の気持ちよさ」です。この本も、店頭でページをめくり「お、いいな」と思ったので選びました。

北欧フェミニズム入門:『Fes Fes Festival』
まず、枇谷玲子さんの『北欧フェミニズム入門』に関しては、文フリ前々日にTwitterでチェックしフェミニズム関係の本は何か手に入れたいと思っていたものの、実際に拝読して難しかったので「別の本で予習してから手に入れよう」と方針転換、枇谷さんが翻訳された『ウーマン・イン・バトル: 自由・平等・シスターフッド!』を文フリ終了後に読み、流れや歴史が把握できた状態で『北欧フェミニズム入門』の通販を申し込みました(今月届く予定)。
でも、よく考えたら同人誌というのは一期一会の世界なのです。『北欧フェミニズム入門』も現時点で通販は終わっています。あの日、直接枇谷さんから購入すればよかった!でも『Fes Fes Festival』に出会えた喜びがあったのは、良かった!
『Fes Fes Festival』は世界のお祭りに関する絵本。日本のお祭りも載っていました。私自身、大学の卒業研究を地元の祭りにした経緯もあって、お祭りと聞くと放って置けないところがあります。著者の坂口友佳子さんは京都造形芸術大学ご出身!一緒!(と通信出身ながら勝手に親近感)。

ふらすこ飯店:(写真には写っていません)
こちらのブースに来てくださった代表者?さん。「ガチャガチャもあるので来てくださいね」と言われ目を輝かせる我が子。というわけでお邪魔してきました。ガチャガチャ、お子様たちに大人気!我が子の回す様子に足を止め順番を待つ子が現れた!文フリ自体、今年はおみくじやポストカードなど本以外のものが多かったと子どもが申しておりました。
ふらすこ飯店の代表者?さんが我がブースにいらしたとき、『LOCUST』を手にされていたので思わず「私もLOCUST買いました」と話しかけてしまいましたw

来てくださったお友達

去年に引き続き、大学の仲間Marさんがはるばる応援に来てくれました。MarさんはMar Mareという名義で西洋磁器絵付の創作を続けています。詳しくは彼女のブログをご覧ください。また、そのブログでも触れられておりますが、ナレーション関連の活動もされていますよ。

→Marさんのブログ:Mar***Blog
→作品は販売サイトCreemaでも買えます!marmareの販売中作品一覧 | ハンドメイド通販・販売のCreema

また、私のインフォメーションで遊びに来てくださった某ご夫妻、Queen of 読書と私が崇拝している某嬢、お越しいただきありがとうございました。文学フリマお初の某ご夫妻にはこの光景がどのように映ったのかな。当日はゆっくりお話しできませんでしたが、またの機会にお伺いしてみたいところです。Queen of 読書が文フリをエンジョイしてくれたことは、私にとっても喜びであります。

今後の活動〜通販・蔦屋書店での販売・文学フリマ広島

というわけで、新刊のBooth通販も開始いたしました!あんしんBoothパック、つまり互いに匿名でお届けできます。既刊もございますので、どうぞよろしくお願いします。

そして広島の方!広島の蔦屋書店でも販売しております!!ぜひお買い物のついでにチェックのほど。

さらに、2020年2月は文学フリマ広島がございます。そこでも今回の文学フリマ東京に持って行った合計4冊を販売しますので是非是非遊びにいらしてください。

そして!
文フリ広島の新刊!
ちょっと悩んでおります!

作るならば『BRANCH_HIROSHIMA』第二弾として「土橋(広島市中区土橋)」を取り上げたいと思っているのですが、もっとゆっくり取材したい。

というわけで、それを来年の東京に回して、今回は「旅文学」でありながらも「文学」に寄せた試みをリソグラフという印刷方法で挑みたいな…とも考えています。

東京という大きな舞台では他の素敵な本を見て悔しさも感じました。同時に嬉しいこともたくさん。それらが最終的に「本が好き」「私も作りたい」という気持ちに帰結する、ということも実感しています。

これからも作り続けます。

【新刊試し読みあり】第29回文学フリマ東京出店の詳細お知らせ

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いわゆる「おしながき」です

毎年秋しか出店しないことでおなじみの、文学フリマ東京の時期がやってまいりました。この週末、いよいよ新刊を頒布いたします。そのお知らせと試し読み、そして実店舗での販売等のご連絡などなど。追記事項など発生しましたら順次アップします。

今回は第一展示場での開催です

  • 開催日時:2019年11月24日(日) 11:00〜17:00
  • 入場料:無料
  • 会場:東京流通センター 第一展示場
  • 当ブース位置:ナ-09(ノンフィクション/旅行記

これまでと同じ東京流通センターなのですが、モノレール「流通センター」駅の改札から向かって左側、タリーズやローソンの入っている会場での開催です。

以前、我がブースは「子どもが小さいから」という理由で時間短縮での出店をしておりましたが、だいぶ大きくなってきたので11時から17時までフルで滞在いたします。

詳細はイベント公式サイトへ→第二十九回文学フリマ東京 (2019/11/24(日)) | 文学フリマ

初めての方はこちらもチェック→文学フリマの楽しみ方 | 文学フリマ

商品ラインナップ

今回販売するのは新刊一冊・既刊三冊の合計四冊です。

◎5th BOOK『ゴミ処理場の静と動』¥600【新刊】
<記事下部に試し読み掲載>
大阪の奇抜なゴミ処理場と広島のシンプルスタイリッシュなゴミ処理場との比較、
そして広島から大阪へ普通に行くだけじゃつまらない!と、フェリーやLCCを駆使したおもしろミラクルな旅の記録です。
既刊に比べ価格高めですが、ページ数・カラーページともに大幅増。読み応えあり!

文学フリマカタログ→「ゴミ処理場の静と動 広島大阪おもしろミラクルルート」leftright@第二十九回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー 

◎1st BOOK『Hoytard1996 山岳地帯への旅』¥300
高校時代のアジア山岳地帯への冒険の旅を本にしました。
シンプルに「生きる」ということを実感させられた旅。
こういう体験をした人は多分少ないと思うので、ぜひ覗いてやってください。

試し読み・通販→Hoytard1996 山岳地帯への旅 - わたのはらブース - BOOTH
文学フリマカタログ→「Hoytard1996 山岳地帯への旅【改訂版】」leftright@第二十九回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー

◎2nd BOOK『あなたの知らない宮島』¥300
よくご購入いただいている人気作。
日本三景の一つ、広島県の宮島にまつわる秘密と、そこから始まった調査の旅。
観光では味わえない宮島、あなたに知っていただきたい!

試し読み・通販→『あなたの知らない宮島』2019年改訂版 - わたのはらブース - BOOTH
文学フリマカタログ→「あなたの知らない宮島【改訂版】」leftright@第二十九回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー

◎4th BOOK『BRANCH_HIROSHIMA』¥300
今年2月の文学フリマ広島に合わせて作った作品。
まさかの完売に始まり、広島蔦屋書店さんやホリデイ書店さんでの取り扱いも開始。
内容は「広島の過去と現在を比較」および宮島の続編ともいえる「弥山登山」の二部構成です。

試し読み・通販→BRANCH_HIROSHIMA - わたのはらブース - BOOTH
文学フリマカタログ→「BR_HIR(BRANCH_HIROSHIMA)」leftright@第二十九回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー

※通販サイトBOOTHでは、諸経費を考慮し金額が上乗せされています。
文学フリマでは上記金額で頒布しますのでご安心ください。

新刊『ゴミ処理場の静と動』試し読み

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↑表紙&裏表紙

↓タップで画像拡大できます。

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目次

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文章ページ。三段組で内容充実。

 

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今回はカラー20ページ!

誤字のお詫びと訂正

印刷後に早速誤字に気づいてしまいました(上のサンプルは修正済み)。お詫びし訂正いたします。

  • p4 (誤)回遊と横断→(正)回遊と軸線 ※シール修正済み
  • p7 (誤)情報収拾→(正)情報収集
  • p37 (誤)バスの運転手さん→(正)タクシーの運転手さん

フリーペーパーの配布

今回はコンビニコピーではなく印刷所に依頼しました。書き下ろしエッセイ『玄関に本屋さんがやってきた』を掲載。きっと文学フリマに来る人はみんな本好きなんじゃないかと思うんですよね。本が好き・本屋さんが好き・図書館が好き……そんな気持ちを共有したくて書きました。

広島蔦屋書店でフラゲの予感

本日広島蔦屋書店に新刊をお持ちしました。近日中に店頭に並ぶのでは?と推測。広島の方、もしLECTにお越しの際は新刊・既刊併せてチェックいただければ幸いです。他にもリトルプレスがたくさんありましたので、文学フリマの気分を味わっていただけるのではないかと思います。

それでは、東京でお目にかかれるのを楽しみにしております!

続けてきたものを辞めるとき

先日、子どもの習い事のひとつを辞めた。もちろん愛するピアノではなく、公民館的な場所で習っていた運動の習い事である。運動を習い始める前は時間に余裕がたっぷりあったのだが、しばらくしてピアノのレッスンが倍増・コンクールにも出場するようになったという流れもあり、運動をすることでの負担が大きくなっていた。それでも本人が今年度だけは頑張るというので日々励ましていたのだが、ここ数ヶ月は運動へのやる気がレッスンごとに減少していった。

普段子どもがレッスンの間、私は外で読書したりこのブログを書いていた。本人が恥ずかしがって「レッスン見ないでよ〜」などと言うし、私もピアノレッスンと違って気楽に考えていたので自由時間が出来たつもりで過ごしていた。廊下の椅子に腰をかけ本を読みながら、壁の向こうのレッスンの音を聞く。時折我が子が「いいよ!」と褒められたり「もっとこうしてみて」などと言われる様子を確認する。次のレッスン枠の子がやってきたら話をしたり、途中トイレに退室した子の様子をみてやったり。そんな、いつもと違う楽しさがあった。

しかしここ最近の我が子の落ち込みように、中に入ってレッスンを覗いてみることにした。入会以来のことだ。その入会当初は目を輝かせて動いていた我が子、今回は何だかグッタリし表情も暗い。他の子は先生の雑談にもドンドン入っていくが、我が子にはその様子もない(いつもはトーク大好き人間なのに!)。その帰り道は元気に行進するかのように歩いていたので健康状態が悪いというわけではない。本当に運動に気持ちが入らないのだろう。

レッスンのたびに「あー行きたくない」と言いながらウェアに着替えるのを見るのも「あなたがやりたいって言ったんでしょ」と毎度言うのにも疲れてしまった。そういえば我が子はまだ「習い事を辞める」という経験をしていない。ベビーヨガに通っていた時期はあるがそれは習い事とはまた違っていた。大好きな音楽はずっと昔から続けていて母娘共に辞めようと思ったことは微塵もなく、もはや生活の一部である。

これまで他のお友達が音楽をやめていく様子を何度か見たけれど、その時のお友達親子の心境が今はとてもよくわかる。続けてきたこと・好きだったことを辞めるのは物事からの逃げなのではないか?なんて考えてみたりもするが、子どもは辞めたいと言っている。子どもの限界はどこなのか、ガイドラインなんてないから分からないけど、多分これが辞めどきなのではないか?

そう決めたらもう、わずかに残っていた運動への熱意はバケツの水をぶっかけられた線香花火のようにジュっと小さな音を立てて消えてしまった。最後のレッスンは参加することなく、先生と皆さんにご挨拶をするだけにした。レッスンに参加し運動した後辞める挨拶…というのも何だか違う気がしたのだ。だってやりたくないのだから。子どもにそのことを伝えると、どこかホッとした顔をしていた。

「他の習い事との兼ね合いで」「体力的にも精神的にもいっぱいいっぱいで」「中途半端な時期に申し訳ありません」などと言いながらこれまでのお礼とお詫びを伝える。言いながら、これもまた社会勉強だよなと思った。辞める時期の見極め、そして心苦しさ(と少しの開放感)を、子どもはわかってくれただろうか?

お友達のお母さん方は「えー!急すぎる!ショック!」なんてリアクションだったところ、一人のお母さんが「最近元気なかったものね」と声をかけてくれた。そのお母さんはレッスン中に入室していることが多いせいもあるが、自分の子だけでなく色んな子の様子をしっかり見ている人なんだな、と思った。そのお母さんの言葉に少し救われた。

日が短くなり暗くなった帰り道を母子で歩く。運動を始めたのもだいたい2年前くらい、暗い道を一緒に歩いたことを思い出す。運動を辞めたその日から、我が子はその曜日のピアノ練習時間を30分増やすことにした。

設営リハーサル

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文学フリマ東京も翌週末に迫ってきた。私は脱稿からの風邪や家族のあれこれで2週間もブログ更新せず。そんなに空けるのはこのブログで初めてのこと(のような気がする)。その事実に焦る気持ちなど、世の中からみれば大したことではない。私がブログを書かずとも世界は回る。だから気にせず大きな顔で書き始めよう。

体調第一に過ごしつつも、文学フリマの準備もぬかりなく。チラシ兼フリーペーパーや値札などの印刷物、出店のレイアウトについてちょこちょこ作業を進めてきた。

今回はちゃんと設営リハーサルをしてから本番に挑みたいと思い、いつも敷き布がわりに使っている風呂敷を床に広げる。幅が少し長いので事前にサイズ計測してクリップで留める。このまま持ち込めば当日もスムーズだ。

そして今回はスマート本棚を導入することにした。これは同人誌即売会向けとして有名なグッズだ。A5サイズの本を上下二冊ずつ置くことが可能。ダンボールで軽く持ち運びやすい。これも当日慌てることのないように組み立てリハーサルに挑む。

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(新刊はまだ届いていないので、かわりに3rd『A 18kipper』を。3rdはここにある見本と、広島蔦屋書店の在庫限り。つまり、増刷しておらず今回の販売はありません)

すっきりと、組み立てとディスプレイが完了。これで横にフリーペーパーを置いても随分余裕がある。新刊だけは別にディスプレイしていいかも。

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公式にも出ている情報だが、棚の裏は本の在庫などを置くスペースになっている。500mlペットボトルがちょうど入る高さでもある。便利!

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今回、4th BOOKの『BRANCH_HIROSHIMA』は初版6冊持ち込む予定。あとは第二版。

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左が第二版で、右が初版。第二版で誤字を直したのがよく分かる…。一方、初版のいいところは写真ページが裁ち落としになり、ページいっぱい印刷されているところだろうか(フォントやレイアウト、ルビなど微妙に違いがありますが、掲載内容は変わりありません)。

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フリーペーパーを広げたところ。折りたたんだ内部ページ(この画像の裏側)には、フリーペーパーに書き下ろした『玄関に本屋さんがやってきた』を掲載している。このネタ、ブログに書こうかフリーペーパーに書こうか悩んだが、本好きの皆さんが集まるイベントだからそれに合わせて発表したいと考えた。

そっか、あの本好きが集まるイベントがついに、来週なんだ。高揚する気持ちと責任感が胸を行ったり来たりと忙しない。

本の手触り、スマホの手触り

結局10月中に作業完了できぬまま11月を迎えた。新刊の入稿締め切りまであと4日、最後まで足掻いている。モニター越しではなく、いわゆるゲラ、印刷した状態で作ったものを見ていると言い回しの不自然さが湧いて出てくる。地図も追加で描きまくりだ。目が痛い。

でも息抜きにスマホを触ってしまう。少し前にiPhoneをSEから8に買い換えたので手触りが違う。音楽をかけながら画面をスクロールしていると手に音楽の振動が来る。音が聞こえない人も楽しめそうでいいなと思う。

そこで思い出すのは小学生のころ教室に置いてあった『遥かなる甲子園』という漫画。沖縄の聾学校の少年たちが野球部を作り甲子園を目指す話(思えばこれは私と野球との出会いでもあった)。事実をもとにした話で、確か映画化もされていたはず。あの話に出てくるマドンナ的存在の女の子が、耳が聞こえなくともスピーカーに手を当て音楽を楽しむというエピソードがあった。

私の最近のお気に入りはKing Gnu。若い子の音楽と思いながらもハマってしまった。歌詞がそこまで厨二病じゃないのも良い(ちょっと厨二病くらいがリアルな若さだよなとも思う)。そしてミクスチャー具合が好み。Queenっぽい要素もあるんだよな。クラシックなど多ジャンルの顔が見えてワクワクする。

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よって今回の新刊を読んでいると、製作過程での家族との日々やスマホの画面を撫でながらKing Gnuの音楽に触れていた感覚に陥る。きっと本になって読み返しても同じだろう。同様に他の本にもそんな読書の思い出や空気があることを再確認する。私の新刊も誰かの思い出に一役買えれば幸いである。

↑新刊の表紙・裏表紙はこんな感じです。

文学フリマ東京のブース位置も確定。いよいよだな、と身の引き締まる思いです。

↑店主じゃなくて田中支配人だったわ…という、どうでもいい補足をしておきます。

柔軟に

今月中に仕上げたいと思っていた新刊、いよいよ下旬となり日々パソコンに向かっている。背後を通り過ぎる夫や我が子が「おっ、書いてるね」などと声をかけてくれる。

ご存知ない方には至極つまんねー話となってしまうが、印刷所に入稿する原稿は通常CMYKというカラーモードが用いられる。しかしこれまで私はずっとRGBを用いてきた。何故ならスマホやデジカメで撮った画像は基本的にRGBだからだ。

私の使っている印刷所はRGBで入稿してもCMYKに変換して印刷してくださるので、それに甘えていた。しかしRGBからCMYKへの変換により、画像は微妙に色が変わってくる。それを私が確認するのは印刷が出来上がってからのことになるのだ。そのため想像と違う色味になることがこれまで何度かあった。

今回はAdobe様に課金しPhotoshop(という画像処理ソフト)も使えるため、自分でCMYKへの変換を済ませた状態で原稿を作成している。一枚一枚ちまちま作業するのは正直なところ面倒だ。

それでも確認の意味を込め作業していたのだが、私よりパソコンに詳しい夫に尋ねてみることにした。するとあっさり「作業を記録して自動処理すれば良い」と、手順を見せてくれた。一瞬で処理されていく何十枚の写真たち。私は心から感動し感謝した。

一年前まで夫には何も言わずに本を作っていたのが、カミングアウトするだけでこんなに世界が広がるとは。長くネットやパソコンを利用し「ググレカス」という言葉の如く自分で限界まで調べることの必要性は重々承知している。自分でコツコツ調べてもこの結果にたどり着いたのかもしれない。しかし「聞くときは素直に聞いた方がなにかとスムーズだ」ということにも気づいた。ここから夫と印刷関係の話も弾んだし、何事も状況次第なんだよな。

作ると弾くの相互関係

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年に一度のペースで我が子は曲を作る。日頃から我が子は曲の断片を鼻歌のように作り、私のスマホ(のボイスメモ)や適当な紙切れにドレミを保存しているのだが、そこから選抜し一つの曲を作り出すのだ。

それを音楽教室の個人レッスンで先生にチェックしてもらう。「ここは上がるより下がって行く方がかっこよくない?上がると『ありがち』な感じになっちゃうから」と先生に言われ、我が子は「じゃあこれはどうですか?」などとその場で修正する。私はそれを部屋の隅で眺めている。

既に存在する誰かの曲を弾くのも楽しいし勉強になるのだが、作曲となると我が子は途端に元気になる。通常と比べそこまで弾き込むレッスンではなく疲労が少ないというのもあるのだが、それ以上にレッスンをエンジョイしている。私も毎回レッスンに立ち会いメモを取るが、作曲過程において記録すべき箇所は少なく若干気楽である。

子が作った右手のメロディに対し、先生は「左手、こんな感じはどう?」とアドバイスしてくださる。それを聴き「はああああ………!最高です!」と感極まったリアクションをする我が子。自分の作った曲がどんどん仕上がっていくのは面白い作業なのだろう。そこから子も何かを思いつきその場で付け足すなどしている。側で見ていても充分面白い。

一方で次のコンクールについてぼんやりと考えている。日々だいたい何かしらのコンクールに向かっており、夏にもひとつの目標をクリアした。次回も同じ曲で挑むのかと思いきや「別の作曲家の曲も勉強してみましょう。さっき先生の弾いた音で『はああああ!』って喜んだみたいに、いろんな人の曲を勉強した方が自分の思いもよらない発見があっていいよ」と先生はおっしゃる。そして現在先生の曲セレクトを待っているところだ。

子どもが作曲好きだから「どんどんやりなさい」とやらせていたけれど、結果的にそれが弾くことにも良い影響を与え、逆に弾くことも作曲に対して良い影響を与えている。その相互の関係、これからどうなっていくか引き続き見守りたい。