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ラテンダンスの日々

突如ラテンダンスを習おうと思ったのは、繁華街に出入りし始めて数ヶ月経った頃だったと思う。自分に足りない明るさのようなものを求めた。運動すればダイエットにもなる。ペアダンスともあれば男性との距離感の練習にもなるだろう。リズム感がないと言われ…

つめたく鋭い美しさ

日曜午前、家族全員揃ってのんびりと朝食を摂る。ひと段落し珈琲を飲みながらテレビのチャンネルを変えると、原田龍二が立山黒部アルペンルートをたどる路線バスの旅をしていた。すでに番組は終盤に入っていたが、以前より「富山に行きたい」と話していた我…

それでもボーダーを着る

またボーダーの服を買ってしまった。 「モテない女はよくボーダーの服を着る」という話、かつて何度も目に・耳にした。それをわかっていてもボーダーの服を買ってしまうんだ。だってボーダーが好きだから。 そう思うのは私だけではないようで、行事で学校を…

私はかわいそうな子どもではない

このブログの記事は、過去と現在の二種類の話があり、過去と現在を行ったり来たりするように記述している。私はずいぶんと過去の自分に固執しているのだな、と思う。でもみんなそうだろう。過去からの教訓があって現在があるのだから。 * 「私はかわいそう…

特別なパン

以前「ケーキ屋の立地のポイント」を聞いたことがある。あえて駅より遠い場所が理想なのだそうだ。駅前のケーキ屋さんは便利だけど、流行っているケーキ屋さんは何となく不便なところにあるものが多い。「わざわざここまで買いにくるスペシャル感」を味わう…

子どもと美術館へ

先日、学校の午前中授業日に子どもと街へでかけた。最近美術館に行っていないよね、という話になったからである。夫も含めて家族で美術館に行くこともあったのだが、休日に出かけることになるため人が多く疲れるばかり。「行きたいなら平日に行っておいで」…

いちばん綺麗な海

大切な人の言った重要な言葉が胸に残るのは当たり前だけど、割と関係の浅い人が言った言葉が妙に”刺さる”ときがある。あまり話したことのないクラスメイト、仕事で一度だけ会った人、病院の待合室で話した人、などなど。関係が浅いから、よりその言葉が強く…

花を買う

年に数回、花を買いにいくことがある。母の日のように買う花が決まっている場合は予算やだいたいのイメージを言えばいいのだが、「二〜三本の花をお持ちください」という本数指定の場合が難しい。会合に持ち寄る花なのだが、三本でできるだけ華やかさを出し…

自分に名前をつけるとき

このブログを書くと決めたとき、悩んだのはURL及びハンドルネームだった。長く使用したハンドルネームは本名をもじったもので、もう夫や友人も知っており公的なものに近くなっているから使いたくない。「love_sweet_forever_miracle_2000」のような、昔の女…

膝の匂い

幼い頃、自分の膝の匂いを嗅ぐのが好きだった。 障子をあけると廊下。その向こうに手すりとサッシの窓が目に入る私の部屋。本や新聞を広げ、割座で座りそれを読む。そのうち姿勢を変えたくなり、自然と片ひざを立て、その足首に手を置く。すると鼻先に自分の…

インターネットの海で

なんだか潮が引いたあとの海岸みたいだ。お気に入りのブログが、急に色を変えた。浮かび上がるグッバイの文字。ああものすごく残念だ。けれど、残されたタイトルを見ていると、今までの文章をすべて消し去るところまでがこのブログの完成形なのではないかと…

本との出会いを逃したくなくて

以前から「夏葉社」の本が気になっていた。「なつはしゃ」と読むのだけど、私は初見で「かようしゃ」と読んでしまったため、どちらだったか忘れてしまう。これを書く前に公式ページで確認した。なつはしゃ。この出版社の名前を知ったのは私の好きなミュージ…

ヴィンテージの魅力

子どもの通う音楽教室は、ひとりひとり鍵盤の前に座りレッスンを受ける。先日のこと、教室内の鍵盤が一部新しい製品に入れ替わっていた。我が子の席の鍵盤はまだ古いもので「なんで自分のは古いの…」と涙をぽろぽろこぼし始めた。 先生や職員さんがしまった…

濃い一年を送りたいなら

二十五歳のとき、親しい仲間の一人が結婚した。「一番結婚しなさそうな人があっさりと結婚した」という話はよく聞くが、彼女の場合もそうであった。彼女が結婚したことで仲間たちはみんな「自分にとっての恋愛・結婚」を考えるようになった。もちろん私も。 …

sing,sing,寝具

表題はダジャレである。そういえばあの山下達郎氏はよくラジオで「シャレです、シャレ」ということが多い気がする。ライブのMCでも言っていたような。 というわけで寝具の話である。この度、掛布団のシーツを新調した。これは我が家にしてみれば革新的な出来…

『For Sentimental Reasons』

先日少し触れた、Linda Ronstadtのことについて書いておきたい。 私がLindaを知ったのは中学一年の春だった。私が『When You Wish Upon a Star(星に願いを)』のオルゴールを持っているのを見かけた叔母が「その歌が入ってるCDがあるよ」と貸してくれたアル…

野球顔とサッカー顔

世の中の男性には野球顔とサッカー顔がある、というのが長期的観測に基づく私の持論だった。あまり知らない人でも顔を見て「この人は野球顔だな」と判る。そして外れたことは無かった。 しかしながら2010年代に入ると急激に当たらなくなった。男性に遭遇する…

山岳地帯への旅:その7

まもなく体調は回復し通常の高校生活に戻った。クラスメイトたちに「休み長かったね!風邪?」と言われ事情を話すと驚かれた。出発前に旅のことを話していた親しい子には「戻ってきてくれて嬉しいよ」という言葉とともに、この一週間の出来事を教えてもらっ…

山岳地帯への旅:その6

山岳地帯への旅:その1(最初から)はこちら山岳地帯への旅:その5(前回)はこちら↓から。 村から去ったあとも我々の旅は続いた。今度はその国で二番目の都市へ行く。きらびやかなお寺を見たり、ゾウの背中に乗ったり、船での川下りを楽しむ。街には美味…

山岳地帯への旅:その5

山岳地帯への旅:その1(最初から)はこちら山岳地帯への旅:その4(前回)はこちら↓から。 我々がこの村で過ごす最後の夜、広場でさよならパーティーが開かれることになった。パーティーの目玉は「豚の丸焼き」。そういえばここでの滞在中は野菜と米しか…

山岳地帯への旅:その4

山岳地帯への旅:その1(最初から)はこちら山岳地帯への旅:その3(前回)はこちら↓から。 山岳地帯での初の宿泊。まだ外が暗いうちから”床がうるさい”。高床の下にいる鶏が朝(夜中?)三時からコケコケ鳴いているのだ。普通鶏というのは朝5時ぐらいに…

山岳地帯への旅:その3

山岳地帯への旅:その1(最初から)はこちら山岳地帯への旅:その2(前回)はこちら↓から。 ティソさんの家から再び広場に戻ったとき、この民族の村にも宣教師がやってきて、みんなキリスト教を信仰するようになったことをコーディネーターの男性に教えて…

山岳地帯への旅:その2

前回(その1)の記事はこちら↓から。 翌朝目がさめると、学校寮は朝靄に包まれていた。それは過疎地で暮らす私にとってよくある光景だ。水墨画のような景色は東南アジア地域にもあるのか。しかし靄に隠れていない部分、つまり地面に目をやるとしっかり赤茶…

山岳地帯への旅:その1

私の「鉄板ネタ」に、高校生の頃のアジア山岳地帯への旅話がある。あまりにも色んなところで話しているので(そういえば教育実習でも生徒に話した)身バレを防いで国名は記載しない。国名などどうでもいいのだ、おそらくあの山岳地帯の民族たちも自らの国名…

fortnight

海老の話になって「教科書の話思い出すよね」と夫に言われた。国語の教科書で有名な海老料理の話があるらしく、それがずっと心の中に残っているらしい。出稼ぎのお父さんが、田舎に珍しいその海老料理を買って帰る話。検索すると多くの人がその話を記憶し懐…

街の世代がかわるとき

今度はごく一般的な風邪をひいてしまった。家族が出かけたあと残った家事を済ませ、およそ30分パソコンに向かいこのブログを書いてから出かける。この日は図書館の本返却日でもあった。「軽い風邪だから無理に薬を飲まなくても……」と思いながらも、あらゆ…

コーヒーカップを求めて

先日あの珈琲豆専門店に行ってから、既に数回再訪している。新たに贈り物、もちろん自宅用にも購入したかったからだ。購入のたびに試飲させてもらえるようで、ナイトブレンドを頼んだ時は「その味に近いものにしましょう」とマンデリンを試飲させてもらった…

東京という場所

先日家族で上京する機会があり東京タワー周辺に宿泊した。本来の用事は全く違う場所にあったが「用事が用事なので少しでも観光気分を味わいたい」と私が勝手に決めたのだった。 スカイツリーが出来た今も、それ以前も、東京タワーに惹かれる。何故だろうなと…

冒険の旅に出よう

「あなたにとって芸術とは何か?」……そんな問いかけを、そしてその答えを、通信制大学在学中に見かけた。人それぞれの芸術に対する思いがこもっていた。さあ、では自分ならば何と言う?何度か考えたが答えは見つからなかった。こういうとき、みうらじゅんは…

今を生きる

英語に力を入れていると聞いて入った学校には当たり前だが外国人の先生が居た。最初の夏に出会ったのは明るい女性の先生。いつもホットパンツなど手足の露出が多い服を着ていたが、それに不快感を感じさせないのは彼女の爽やかさゆえ。いつも学校近くのコン…

プロのステージでみつけたもの

自由に動き回っていた独身時代の夜。地元で活動するミュージシャンと付き合っていた友人が、歓楽街の小さなライブカフェに誘ってくれた。どうやらプロの前座で地元バンドが演奏、というよくある流れのようだ。お互い集客のためにメリットがあるものね。友人…

あの人の日記

先日『すばる』4月号を買った。表紙のデザインも親しみやすくなったし、今回の特集「あの人の日記」に惹かれた。あらゆる書き手によるそれぞれの「日記」。エッセイではなく日記というリアリティ。人生の一片がそこにはある。隙間時間で細切れに読もうとペ…

一緒に生きてきたミュージシャン

地方都市のテレビにも東京と同じようにGINZA SIXの開業情報が流れる。草間彌生という名前を出さなくても、あの天井に吊り下げられたオブジェを見て子どもが「あっ、あれ、カボチャのあの人の」と指差す。その人らしさを貫くことが大きなインパクトとメッセー…

珈琲店をみつけた

やっと体が回復してきた。諸々の用事を済ませるために外に出ると眩しいほどの良い天気。会社を辞めた日や失恋した次の日の朝のように、長く暗いトンネルを抜けたあとの清々しい気持ちと空気。世界のすべてが美しく感じられる。そんな私の実際の世界は、移動…

音楽のできる喜び

子どもを音楽のグループレッスンに通わせ数年になる。子どもたち同士だけでなく親同士も仲が良く、先生も指導・人柄ともに良い方だ。レッスンの日は親子してウキウキ出かけている。 ある日、私たちの街に災害が起こった。グループのメンバーや先生の家族はみ…

変わるものと変わらないもの

新学期の緊張感が蓄積したせいか、体調を崩してしまった。気の緩む週末に症状が出るのはいつものこと。そのたびに休日診療のお世話になっている。今回は会社員時代にかかりつけとしていた街の中のクリニックが担当。保管していた診察券を探し出し、ヨレヨレ…

「読める写真を撮れ」

写真を撮ることやカメラを触ることが好きだ。カメラのエピソードはたっぷりある。書きたいことも次々に浮かび、頭の中が情報整理で忙しくなる。 古いものから新しいものまで、フィルムにもデジタルにも手を出してきた。数年前、中古カメラ店めぐりで出会った…

主婦ライターの始まりと終わり

通信制大学の生活に慣れ、落ち着いてきた頃に主婦ライター業を始めた。レポートとはジャンルが違うが、相手の要求を満たすという点が同じ。よい訓練になる。それだけでなく対価が支払われるのだから、これ以上ないアルバイトだ。 当然文章書きに関しては素人…

通信制大学で得たもの

ブログを始める理由は前々回書いたけれど、直接的なキッカケとなったのは大学の学友さんがブログを始められたことにある。 2016年、私はある大学の通信教育部を卒業した。「通学無し、ネットだけで卒業OK」がウリのあの学科。そう聞くと、大学通信につい…

スポーツがくれる「無」の時間

自分の過去を知る人と話をしていると「小学生のころ水泳速かったね、いつも一番だったね」「スキー上手だったね」と言ってもらえることが多い。残念ながら過疎化が進む小さな町での話なので都道府県レベルで見ると大した記録ではない。しかし、球技や団体競…

そもそも文化的って何かね

今更ブログを始めようと思った理由について書いておこうと思う。もともと2000年ごろからなんだかんだでウェブ上に日記を書いていた。新しい日記サービスが出れば試し、書く場所をコロコロと変えているような状態。日記にコメントをくれる見知らぬ人と匿…

思い出を食べて生きていく

まだ私が20歳そこそこだったころ、年上の新婚女性に「結婚生活いかがですか?」とたずねたら返ったきた言葉が表題のとおり。「これからは思い出を食べて生きていくわ」と。 その女性は性に奔放な人だったので「もう男性と気ままに遊べないわ」という意味な…

フルーツサンドの思い出

春休みにお出かけの約束をした私たち親子と友人親子。このような会合は、最近外国風にプレイデートと呼ばれるらしい。あるイベントに参加し、いつもと違う公園へ。自宅付近では桜の気配が薄かったのに、市内中心部だからか満開に近い。公園内に入るなり”解き…