一日違いの誕生日

「誕生日、私と一日違いじゃない!」と言われたことが、今のところ人生で二度ある。 最初は半年留年し「一人だけの卒業式」をすることになった日。学長はおらず、学長代理をされていた先生が、卒業証書に書かれた私の生年月日を見てそう言った。彼女は林家ペ…

図書館の本

街の中に出たついでに、本を借りてきた。夫は休日出勤。子どもは「えー!?」とガッカリした様子だったが、あなたにオススメの本を予約してあるから、というと喜んで同行してくれた。 『僕はコーヒーがのめない』は某ご友人に教わった本。近頃コーヒー沼にハ…

父の霊媒

昨日の小林麻央さん死去のニュース、それなりにショックな気持ちで受け止めた。友達と「お互い長生きしよう」「定期的に検査をしなきゃ」なんて話したり。 今までメディアで見てきた人の死、それも若い人だとよりセンセーショナルだ。闘病の苦しみ、支える家…

筆記体の練習

そのとき通っていた学校は小高い丘の上にあった。登校するのは山登りと同じで、五月あたりから徐々に暑さが増し、朝は汗をぬぐいながら歩く。その横をタクシーが通り過ぎる。「わー、〇〇先生タクシーで来たよ」「ずるいずるい」「私たちも乗せて」山登りで…

字を書くということ

昨日の流れで、父方の祖母のことを考えていた。祖父亡き後も祖母は限界集落の果てのような場所で独り生活している。高齢だが草刈機をブン回し、電動車で何処へでも出かけるパワフルなおばあさんになった。 そんな祖母も三、四十年前は曽祖父母の介護をしてい…

あの家の子ども

電車に乗っていると親から電話がかかってきた。iPhoneに表示される「現在電話に出られません」のボタンを押し、さらに親の携帯メールアドレス宛に「電車に乗っていますので用事があればメールでお願いします」と送る。すぐに返事が返ってきた。「おばあさん…

児童文学と「死」

昨日『カレンダー』『お引越し』に関することを検索しているうちに、『お引越し』と同じく相米慎二監督によって映画化された児童文学のことを思い出した。『夏の庭 The Friends』だ。 夏の庭―The Friends (新潮文庫) 作者: 湯本香樹実 出版社/メーカー: 新潮…

『カレンダー』との再会

図書館の児童コーナーで、子どもに本を選ばせる。いわゆる「ジャケ買い」のように「ジャケ読み」する我が子が、次々と本を持ってくる。対象年齢が自分より高めのものを選ぶことが多いが、漢字にルビがあるとだいたいは読めるので、よほど上の学年のものを持…

文学フリマへの道

慌ててleftright名義のTwitterアカウントを作成した。理由は以下の通りである。 こんな夜中に申し込みしてしまいました。冊子作り、夏休みの宿題っ!【11/23開催・第二十五回文学フリマ東京】出店申込しました! (〆切は 8/21(月) 23:59!) https://t.co/fKAm1…

スピーカーから流れる音

ボーナスが入ると夫婦各々の財布にいくらか与えられる仕組みとなっている我が家。まるでお年玉を貰っていた子ども時代のようにアレコレ考えを巡らす。思い浮かべるのは美顔器や珈琲用のミルなのだけど。 そんな中浮上したのはBluetoothスピーカーだった。別…

平日ダイヤ

病院行って図書館行って、平日の代休はそれなりに忙しい。 駅前のパン屋のハンバーガーをふたつ買って、ホームのベンチに子どもと座る。 「食べ終わって最初に来た電車に乗ろう」私たちはハンバーガーにかぶりつく。 バンズがちゃんとパン屋さんのパンです。…

雪の中で

初めて自分の力でお金を稼いだのは高校一年の冬休みだった。山岳地帯への旅に備え、旅費とカメラ代を稼ぎたかったからだ。冬だから、いつも通っていたスキー場の周辺には仕事があった。親の口利きでレンタルスキーショップを紹介され働くことになった。 仕事…

コンビニコーヒーの味

オフィス街、ビルとビルの間に穴が空いたようにぽつんと緑の広場があった。かろうじて遊具がある公園。とりあえず子どもを遊ばせることにする。 おやつとお茶は持っているけれど、食べるにはこの公園は狭すぎる。じゃあカフェに入るか?とも考えるが近々にカ…

いつもと違う服を買う

おしゃれがしたい、と急に子どもが言い出した。どういうことだ。いつもおしゃれしてるじゃないか。服を買うときもいつも決定権を与えているではないか。しかし満足がいかない様子。「こんなのがいい」と持ってきた子供服のカタログはハイティーンから二十代…

gifted.2

子どもの今後のことを踏まえて、一冊の本を買ってみた。 才能の見つけ方 天才の育て方 作者: 石角友愛 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/06/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 「才能」だの「天才」だの書かれ…

壇の上と下

※完成して投稿したら、下書き保存したときの古いものが投稿されてしまうというハプニングがあり、新規に書き直して投稿しています。また別に保存し忘れた。。もうはてなアプリで書かないようにしなきゃ。と思いながら書いてしまうのです。いつも。 ====…

平日昼間の野球観戦

通常の家事を終え、ダッシュで昼ごはんを食べ、野球を見に行ってきた。平日昼間の話である。プロ野球のテレビ中継するような試合ではない。指定席があるわけでもない。フラッと球場に行ったらやっている試合。といえばアレか高校野球ぐらいだろう。 持参のド…

gifted.

「お母さん、普段あなたは子どもを構いすぎなのではないですか。最近の子どもは甘やかされて、何でも親に助けてもらって、だから自分で歩こうとしないんです。子どもに手をかけすぎなんです」かかりつけの小児科でそう言われたのは、子どもが九ヶ月のときだ…

贅沢なアイスの時間

この季節になると思い出すのは、数年前のある平日のこと。おつかいから帰宅した午後三時。まだ赤子だった我が子は抱っこ紐でゆらゆら揺れてお昼寝。そっと寝かせてから、おつかいで買ってきたアイスに手を伸ばす。そこそこに日差しが強くなってきた季節、贅…

聴こえていなかった音が聴こえた

買い物をするまでにかなりの下調べをして、調べ尽くして疲れ果てることはないだろうか。私はときどきそれをやらかして、すこし寝かせてみたり、もういいやと実店舗に駆け込んだりして、なんとか決定している。今日もそんな下調べをして疲れ果てたのだが、そ…

自由と平等

放送大学の課題、残り一科目を無事提出。オンライン科目のレポート締切、それから科目履修試験までわずかな休息。 子どもが帰ってきた。「みんなのうた」でエレファントカシマシの曲『風と共に』が流れる。最近「母賞賛ソング」みたいな感動系が多くて疲れて…

禁断の夜中ラーメン

やるべきことをなるべく早めにこなした土曜日。食事も三食早めに済ませ、子どもも早めに就寝。寝かしつけが完了しキッチンに戻ると、妙にお腹がすいてきた。ご飯を早く食べすぎたからだ。 夫は仕事だったので、これまた夕方という変な時間に昼食を摂っており…

洗濯物干し問題

みんな洗濯物はどこに干しているんだろう。 「建物探訪」のようなお宅訪問番組や建築をぼんやり眺めるのが好きなのだけど、オシャレなお部屋を見ていつも思うのは「洗濯物どこに干すの」「掃除どうするの」ということである。お宅訪問番組で洗濯物が映ること…

ただの砂糖ではない

以前、よそのおうちにお邪魔したときに珈琲をいただいたのだが、そのとき見た砂糖に心奪われた。昔の喫茶店にあったような、琥珀色で宝石(琥珀だけに)のように輝いている砂糖の粒。普段は状況や気分に応じてミルクを入れる程度だが、このときは砂糖を入れ…

珈琲というアロマ

バスを待ちながら、遠くかすかに見えるひとつ前のバス停の様子を伺う。冬から春は見通しが良かったけれど、今は青々と茂る街路樹の葉に隠れてよく見えない。 内向的な気分のときは外の様子も認識できず、ただただ自分の内面へと沈んでゆくのだな。昨日は何と…

2006年のオージーな金曜日の話

【今日は2006年の日記を一部修正してお送りします】 すべてはイタリアントマト略してイタトマから始まった。 イタトマでお茶をしていたのだが、友人1は早々に帰宅。私が「博士の愛した数式(文庫)」を読んでいるところに友人2到着。友人3はまだお仕…

バスタオルで擦り続ける

※ちょっと悲しくなるかもしれないので全部読まなくて良いです。 揚げ物をしていたら、油はねが腕に飛んできた。「あっつ!」と叫びながら腕を水道水に当て、タオルで擦る。これでもかと擦る。気づいた子どもが遠くから不思議そうに見ていたので「危ないから…

『ジャズ大名』との遭遇

せっかくAmazonプライムに入っているので、ときどきプライムビデオを覗いてみることにした。アニメもあるから子どもにも便利。一人の時間にはなんとなく映画かな、と調べていると『ジャズ大名』というとんでもないタイトルが目に入った。大名なのに…ジャズ……

最高のライブへ行ってきた

昨夜はあるベテランミュージシャンのライブに親子で行ってきた。傍目には親の趣味につきあわせている光景だろうが、実際は子どもの影響で親もハマったパターンである。 最近のライブはチケットの転売防止目的から入場チェックが厳しく、学生証を持たない子ど…

多様な働き方、多様な参加の仕方

昨日の私は無事に一時間で一科目と半分の課題を完成させ、インターネットで二科目提出。マークシート式ゆえ課題の結果が即座に反映され、八十点と七十点であることが判明した。そして予定通りある勉強会に出席した。 主婦が勉強会、というとどうしてもSNSに…

古代ギリシア、学問は余暇だった

私の最終学歴は通信制大学卒業なのだが、正確には現在も学生をやっている。放送大学に科目履修生として在籍しているからだ。この話をするたびに「まだ勉強してるの!?」と驚かれるのだが、残念ながら正科生時代に比べて圧倒的に勉強していない。 今期(四月…

占いは「振り返り方式」で

いわゆる「占い」に行ったのは、今のところ人生で二回だけである。いずれも独身時代、友達と「ノリ」で行ってしまった。女同士だと占いは盛り上がるからしょうがない。最初は旅行先で。特に占ってほしいこともなかったので「この先交際したり結婚したりする…

分娩室のBGM

出産前、産院の母親学級で分娩室を見学しているとき「ここでは好きなCDをかけたり、DVDを見ることもできます」と助産師さんに言われ母親たちはどよめいた。近頃の産院は何かとサービスが多いと聞いているがここまでとは。続けて「(連れてきた)上のお子さん…

ラテンダンスの日々

突如ラテンダンスを習おうと思ったのは、繁華街に出入りし始めて数ヶ月経った頃だったと思う。自分に足りない明るさのようなものを求めた。運動すればダイエットにもなる。ペアダンスともあれば男性との距離感の練習にもなるだろう。リズム感がないと言われ…

つめたく鋭い美しさ

日曜午前、家族全員揃ってのんびりと朝食を摂る。ひと段落し珈琲を飲みながらテレビのチャンネルを変えると、原田龍二が立山黒部アルペンルートをたどる路線バスの旅をしていた。すでに番組は終盤に入っていたが、以前より「富山に行きたい」と話していた我…

それでもボーダーを着る

またボーダーの服を買ってしまった。 「モテない女はよくボーダーの服を着る」という話、かつて何度も目に・耳にした。それをわかっていてもボーダーの服を買ってしまうんだ。だってボーダーが好きだから。 そう思うのは私だけではないようで、行事で学校を…

私はかわいそうな子どもではない

このブログの記事は、過去と現在の二種類の話があり、過去と現在を行ったり来たりするように記述している。私はずいぶんと過去の自分に固執しているのだな、と思う。でもみんなそうだろう。過去からの教訓があって現在があるのだから。 * 「私はかわいそう…

特別なパン

以前「ケーキ屋の立地のポイント」を聞いたことがある。あえて駅より遠い場所が理想なのだそうだ。駅前のケーキ屋さんは便利だけど、流行っているケーキ屋さんは何となく不便なところにあるものが多い。「わざわざここまで買いにくるスペシャル感」を味わう…

子どもと美術館へ

先日、学校の午前中授業日に子どもと街へでかけた。最近美術館に行っていないよね、という話になったからである。夫も含めて家族で美術館に行くこともあったのだが、休日に出かけることになるため人が多く疲れるばかり。「行きたいなら平日に行っておいで」…

いちばん綺麗な海

大切な人の言った重要な言葉が胸に残るのは当たり前だけど、割と関係の浅い人が言った言葉が妙に”刺さる”ときがある。あまり話したことのないクラスメイト、仕事で一度だけ会った人、病院の待合室で話した人、などなど。関係が浅いから、よりその言葉が強く…

花を買う

年に数回、花を買いにいくことがある。母の日のように買う花が決まっている場合は予算やだいたいのイメージを言えばいいのだが、「二〜三本の花をお持ちください」という本数指定の場合が難しい。会合に持ち寄る花なのだが、三本でできるだけ華やかさを出し…

自分に名前をつけるとき

このブログを書くと決めたとき、悩んだのはURL及びハンドルネームだった。長く使用したハンドルネームは本名をもじったもので、もう夫や友人も知っており公的なものに近くなっているから使いたくない。「love_sweet_forever_miracle_2000」のような、昔の女…

膝の匂い

幼い頃、自分の膝の匂いを嗅ぐのが好きだった。 障子をあけると廊下。その向こうに手すりとサッシの窓が目に入る私の部屋。本や新聞を広げ、割座で座りそれを読む。そのうち姿勢を変えたくなり、自然と片ひざを立て、その足首に手を置く。すると鼻先に自分の…

インターネットの海で

なんだか潮が引いたあとの海岸みたいだ。お気に入りのブログが、急に色を変えた。浮かび上がるグッバイの文字。ああものすごく残念だ。けれど、残されたタイトルを見ていると、今までの文章をすべて消し去るところまでがこのブログの完成形なのではないかと…

本との出会いを逃したくなくて

以前から「夏葉社」の本が気になっていた。「なつはしゃ」と読むのだけど、私は初見で「かようしゃ」と読んでしまったため、どちらだったか忘れてしまう。これを書く前に公式ページで確認した。なつはしゃ。この出版社の名前を知ったのは私の好きなミュージ…

ヴィンテージの魅力

子どもの通う音楽教室は、ひとりひとり鍵盤の前に座りレッスンを受ける。先日のこと、教室内の鍵盤が一部新しい製品に入れ替わっていた。我が子の席の鍵盤はまだ古いもので「なんで自分のは古いの…」と涙をぽろぽろこぼし始めた。 先生や職員さんがしまった…

濃い一年を送りたいなら

二十五歳のとき、親しい仲間の一人が結婚した。「一番結婚しなさそうな人があっさりと結婚した」という話はよく聞くが、彼女の場合もそうであった。彼女が結婚したことで仲間たちはみんな「自分にとっての恋愛・結婚」を考えるようになった。もちろん私も。 …

sing,sing,寝具

表題はダジャレである。そういえばあの山下達郎氏はよくラジオで「シャレです、シャレ」ということが多い気がする。ライブのMCでも言っていたような。 というわけで寝具の話である。この度、掛布団のシーツを新調した。これは我が家にしてみれば革新的な出来…

『For Sentimental Reasons』

先日少し触れた、Linda Ronstadtのことについて書いておきたい。 私がLindaを知ったのは中学一年の春だった。私が『When You Wish Upon a Star(星に願いを)』のオルゴールを持っているのを見かけた叔母が「その歌が入ってるCDがあるよ」と貸してくれたアル…

野球顔とサッカー顔

世の中の男性には野球顔とサッカー顔がある、というのが長期的観測に基づく私の持論だった。あまり知らない人でも顔を見て「この人は野球顔だな」と判る。そして外れたことは無かった。 しかしながら2010年代に入ると急激に当たらなくなった。男性に遭遇する…