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冒険の旅に出よう

「あなたにとって芸術とは何か?」……そんな問いかけを、そしてその答えを、通信制大学在学中に見かけた。人それぞれの芸術に対する思いがこもっていた。さあ、では自分ならば何と言う?何度か考えたが答えは見つからなかった。こういうとき、みうらじゅんは「『私にとって〇〇とは、愛だ』と言っておけばOK」と言ったらしい。あ、もうそれでいいじゃん。と投げやりな気持ちにすら、なった。

その回答をするためには「芸術」という言葉への理解が必要だ。私には芸術を語れるほどの知識が果たしてあるだろうか。卒業した今も、特に芸術史に関する部分などは忘れ始めているように思う。時折振り返り頭の中を整理しなくてはならない。

ある日、児童向けの『冒険図鑑』という本を開いた。これは私が小さい頃に愛読していた本で、学校の図書室でも大人気だった。何度も自分で購入しようと思いながら「ま、またの機会に」と延ばし延ばしにしていたが、今回子どものために購入したのだった。案の定現代の子どもにもウケが良く、一日に一度は手に取っている。

冒険図鑑―野外で生活するために (Do!図鑑シリーズ)

冒険図鑑―野外で生活するために (Do!図鑑シリーズ)

 

その冒険図鑑の冒頭「はじめに」は非常に魅力的な文章で、今すぐ身支度を整え冒険の旅に繰り出したくなる。本当はすべてを引用したいところだが、長いので要所を。

冒険は、人生そのものである。楽しいこともあれば、思いがけないことも起こる。野外で体験したすべての出来事は、学校を出てからも、自分の人生の中で、大いに役立ってくれるだろう。
(『冒険図鑑』2ページより) 

「冒険は、人生そのもの」、つまり冒険とは人生であり、逆に人生とは冒険だともいえるのではないか。そしてこれは、芸術に挑むものの心構えとしてもピッタリだといえる。ひとつの作品、ひとつの事象に対して立ち向かっていく姿勢。

芸術とは関係のない、卒業後の冒険図鑑で気づいたことだけれど、それもまた良かったのかもしれない。卒業して遠巻きに芸術を眺めてわかることもある。そして何気ない日常から芸術の断片を見つけ出し、拾い集めて味わう。卒業しても芸術は続くんだ。

さあ、今日も冒険の旅に出よう。