文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作り始めました。

2006年のオージーな金曜日の話

【今日は2006年の日記を一部修正してお送りします】

すべてはイタリアントマト略してイタトマから始まった。

イタトマでお茶をしていたのだが、友人1は早々に帰宅。私が「博士の愛した数式(文庫)」を読んでいるところに友人2到着。友人3はまだお仕事。 とりあえずご飯どこに食べに行くか決めようと、友人2の持参したクーポンをテーブルに広げ、肉?とか語っていると隣の席の男性がいきなり声をかけてきた。

その男性は見た目そこらに居そうな普通のお兄さんなんだけど、使っている言語が英語。どうやら外国の人らしい。マップを大きく広げ、現在地の確認をしてきた。教えてあげる私たち。

それで済むかと思いきや、その後「自分はオーストラリアから来た(後に確認したところ、血は完全なる中国人で、祖先が移住したのだそうだ)。北海道から仙台、東京など色々回って、今日ここに来た」「もうここの名物料理は食べた。〇〇(店名)に行ったけど味はまあまあだった」「近くにホテルを取っているのだけど、まだ帰るには早いしどこか飲みに行きたい」「君たちはクーポンを広げて色々話し合っているから、いい店を知っているのだろう」「せっかくここでこうして出会ったのだし、僕は君たちの行くところに付いて行くから一緒に過ごさせて欲しい」との申し出が。

「私たちはもう一人友達を待っていて、その子が来たら一緒に食事に行こうと思っているのだけど、その子は仕事が忙しくてまだ当分来れそうに無い。だからだいぶ待つことになる」と、やんわり断るモードに持っていこうとしたのだけど、そこは見た目アジア系でもオージーボーイ。「それでもかまわない」と強引。

私も友人2も困り果てたが、そういう場合はKさんのテンションで何とかなるだろうと判断。「近くに友達のバーがあるからそこで待とうと思うけど、いい?」と確認。もちろん!と目を輝かせるオージーボーイ。「僕の名前はデイビッド(仮名)です」。互いに自己紹介をし、イタトマを後に。

そこはわが街の繁華街。オネエサマ達がご自分のお店のチラシなどを大人のオジサマ・オニイサマに配ったり、来てよってアピールしている。それをデイビッドは不思議に思ったらしく、あのお姉さんたちは何をしているのか、と聞いてきた。……これ、説明しづらいよね。しょうがないので「彼女たちは自分たちのバーを紹介しているんだよ」と説明。そこでまた目を輝かせるデイビッド。「でも、そこ高いから!大人のオジサマ・オニイサマ用のお店だから!」と説明。半分ガッカリするデイビッド。

Kさんの店に到着。いきなり私たちが見知らぬ男の人を連れてきたので驚いた様子のKさん。ざっと事情説明。拙い英語で何とかコミュニケーション。話題もデイビッドが振ってくれたりすることが多く、沈黙も少なかった。デイビッドは見た目28~30歳っぽいんだけど実際には35歳だそうだ。オージーのある会社のエグゼクティヴ・マネージャーだった(名刺によると)。

その後友人3が到着し自己紹介。 デイビッド、急に大興奮。あまりにデイビッドが話しまくるせいで移動するチャンスを逃した私たちはKさんのところで出前を取ることに。もうデイビッドは名物料理を食べてしまっていたので、辛いもの大好きの友人3がつけ麺を、私と友人2が中華の定食をオーダー。それをデイビッドにも少し分けることに。

デイビッドはつけ麺を知らなかったようで、つけダレを麺にかけようとする。いかん!と思い私はとっさに「you dip it in this sauce!」 。これこそまさに学生の時、NHK「とっさのひとこと」で学んだフレーズ「you dip it in soy sauce(しょうゆにつけて食べるんだよ)」じゃないか! まさに「とっさのひとこと」!!やるじゃんNHK!

デイビッドは友人3を大変気に入った様子。それぞれタイプを聞かれたが、私は「ブラッド・ピットが好き」と言った時点で落選した。タイプを聞かれて恥ずかしがっている友人3にデイビッドはますますメロメロに!

デイビッドはその後も「これからも連絡を取りたい」「明日はあのあたりに観光に行くつもり。友人3は休み?できたら案内して欲しい・・・(友人3はお仕事なので断った)」「だったら他の観光を一日減らして、もう一度ここに来る日を作るよ!」などと散々アプローチ。困る友人3。「彼女への贈り物を準備してホテルの受付に置いておくから、取りに来るように言って。訳して!」と、私はすっかり通訳扱い。おいおい、元々は私と友人2を気に入ったんじゃないんかい!「君たちがオーストラリアに来たら案内してやる。ユースホステルとか紹介してやる。あとオージーボーイ二人紹介するから!僕は友人3と……」デイビッド大暴走。

しかしKさんところの支払いもしてくれて、そこらへんは紳士だった。帰り際「くれぐれも彼女にちゃんと(贈り物のことやメルアド、滞在中に会いたいって事)を伝えとけ!」と念押しされたけど、友人3はちゃんとお断りする方向だそうだ。

それにしても、本当は友達とガールズトークをするはずだったのに思いがけないことになってしまった。でもまあ貴重な体験だった。家に帰って「100語で英会話」みたいなのを再放送してて、思わず見入ってしまったよ。