「空に星が出てるよ」

日本列島に台風が上陸する今日、私と子どもは旅に出た。目的はある大御所ミュージシャンのライブ。このブログにも書いたとおり五月にも地元でのライブを観ているのだが、そのときは立見。持参の折りたたみ椅子で何とか乗り切り充分に楽しんだのだが、やはり終演後に疲労がドッと来た。そんな我々を見かねた夫が「せっかくだから夏休みに泊まりで行っておいでよ」と、比較的近くの都市で行われるライブに行くよう勧めてくれたのだ。

よりによって台風の日。夫も朝四時起きで仕事。送り出してからひと眠りし、家事に加え不在中の夫の食事作り、列車内での弁当も…と、ドタバタしているうちに予定時刻になってしまった。外はやはり風が強い。列車は動くのか、不安になりつつ移動する。意外と駅は通常の雰囲気。そして乗換案内で検索した時間通り目的地に着いてしまった。

チェックインしてしばらくホテルでゴロゴロと過ごす。子どもと二人きりは珍しいことではないが、こうやって外で二人だけで泊まることは初めてだ。部屋もいつもの宿泊より広く感じる。月曜の宿泊だから、広い部屋が格安になっていたのもある。

タクシーでライブ会場へ。初めての慣れないホール。不思議な形に戸惑う。物販の列に並び、前回買えなかった「通常はファンクラブ限定のCD」と、夫へのお土産であるTシャツを買う。ロビーは広く、座る場所もたくさんあった。コンビニで買ったサンドイッチを食べながら、気合を入れるかのごとく子どものヘアスタイルを変えてやる。

座席はラッキーなことに、一階二十数列め、PA卓の後ろ。PA卓の直後二列は観客を入れないようにしてあり、そのすぐ後に座る我々の視界を遮るものはほぼ無かった。しかもど真ん中通路側の席。目の前にあのミュージシャンの姿が見える。万が一子どもがトイレを訴えても通路側なら安心だ。

ライブが始まる。ミュージシャンは雨の中来てくれてありがとう、と言う。「これまで一度も天候不順でライブが中止になったことはない」「メンバーは二人、今日東京から移動だったけど何とかなった」とのことであった。今日も素晴らしい歌声、素晴らしい演奏。前回よりも会場が一体となる盛り上がりを感じた。さらに、我が子がついに、このライブ中全て起きていた。全ての曲を楽しんだ。イントロでわくわくする我が子、オールディーズのカバーを気にいったと喜ぶ姿、好きなフレーズでニコニコする様子をたくさん見られた。二重、三重の楽しみ。

特に終盤の盛り上がる曲ではジャンプして手を叩く我が子に、近くの席の大人たちがウケていた。私もかなり笑ってしまった。そんなに嬉しかったのか…。

アンコールが終わり、最後にミュージシャンが「台風は過ぎた、もう空に星が出てるよ」と言った。タクシー待ちの列に並びながら空を見る。本当に星が出ている。なんて素敵なエンディング。それを含めた素晴らしいライブをありがとう。