『星の王子さま』が読めない

先日のプチ旅行で「旅先で旅行記を読む」を実現させるべく本屋へ行った。子どもはお気に入り本の続編を見つけあっさり購入決定したが、私はなかなか見つからない。旅行のガイドブックコーナーはあるけれど旅行記は発見できない。

ウロウロしていると『星の王子さま』の背表紙が目に入った。あっ、と言いながら手に取る。見覚えのある表紙のイラスト。「ママそれ買うの?」と言われるが戻す。いや、ママこれ毎回読んでは途中で止めちゃうの。どうしても読めないの。と説明する。

本当は「愛読書は『星の王子さま』です」と言いたいくらい、コンセプトや考え方は惹かれる。けれど実際に読むと拍子抜けしてしまう。胸に響いてこない。「大切なものは目に見えない」と言われても、そんなことわかってる。むしろ、見えるものだけを最初から信じない。

私の周りには『星の王子さま』が好きな人が多く、みんながその良さをワイワイ語り合うのを見てすごく寂しかった。私には、どうしても良さがわからない。本当は好きになりたいのに。

宮崎駿監督のアニメ作品『崖の上のポニョ』を観た時も同じような現象が起こった。私はジブリ映画が大好きなのだが、ポニョだけがわからない。確かに美しく純粋なシーンが多い。でも観た後に何も心に残らないのだ。そんな自分がショックだった。私はマックロクロスケが見えない以上に何か欠落しているのだろうか。「すっごくよかったね!」と女友達が涙目で語るのを、え?あ、うん。そんなに?と、動揺しながら眺める。

今回私はNHKの100分de名著テキストシリーズより、大岡昇平の『野火』を選んだ。理由は特になく、直感で。パラパラと中身を見る限り、『星の王子さま』よりは自分向きだなと思う。

 

大岡昇平『野火』 2017年8月 (100分 de 名著)

大岡昇平『野火』 2017年8月 (100分 de 名著)