「一番高い珈琲を買ってきて」

ひとつの店にこだわらずさまざまな店を試してみたい。珈琲沼をずぶずぶと進んでいくということは、あらゆる珈琲を経験していくということである(と、まるで格言めいた言い回しをしてみる)。

そういうわけで今回はUCCで豆を購入してみた。UCC…よく百貨店の食品売り場に入っているあのUCCである。「こだわりの珈琲豆専門店!私が発掘しました!」というほどでもない、さほど珍しくもないUCCである。それはすなわち多くの人に流通している、多くの人に愛される味ということだ。珈琲の味を追求するようになり味わうUCCの味はどうだろうか。

まずは試飲させてもらった。「インドネシア グヌンブラウ」をアイスで。おお、おいしい。バランスのよい「美味しい珈琲」の見本となるような味。悩むことなくこちらを100g購入した。ネット検索すると次のように出てくる。

グヌンブラウは生産している現地の言葉で「青い山」、つまりブルーマウンテンを意味しています。 

ジャワ島のブルマン「グヌンブラウ」 | Coffeemecca

ブルーマウンテンという言葉で思い出したことがある。

私がUCCで珈琲豆を買うのは初めてではない。なぜなら親族がUCCでアルバイトをしていたからだ。当時私は会社員で、彼女とルームシェアの要領で同居していた。ある日のこと、会社で私がいつものように来客やメンバーの珈琲を淹れていると、上司が言った。

「あなたの同居人はUCCに居るんだったよね。だったら今度、UCCで一番単価の高い珈琲を買ってきてもらってよ。どんなものか飲んでみたいから。もちろん経費で落としていいからね」

それを同居人に伝え、彼女が買ってきてくれたのは予想通り「ブルーマウンテン」だった。単価は100gで1,800円前後だったように記憶していた。いまUCCのサイトを見ると、ブルーマウンテンNO1ブレンドが100gで1,620円とあるのでこれのことだろう。ブレンドではない純粋なブルーマウンテンNO1は100gで3,456円とある。さすがに後者は買いづらかったのだろうか。でもちょっとこれも飲んでみたかった、と今になって思う。

経費で落として飲んだ珈琲の味は、残念ながら忘れてしまった。「やっぱり美味しいねえ」などと言いながら部内で飲んだ記憶があるが、「高いから美味しい」と思い込んでいるところもあった気がする。今は値段に関係なく、純粋に美味しいものを探したい。