寝坊による遅刻

そろそろ寝ようかという頃に雨や雷の音が忍び寄ってきた。嫌な気配だ。また早朝に緊急の仕事が入るのではと、夫が睡眠用の薬を飲むべきか迷っている。「天災が起こってもそれまでにしっかり眠れていなければちゃんと働けないから、とりあえず薬飲んだら?」と言うと、夫は納得しているようだった。そしてすんなり眠れたのを確認し、私も……。おかしいなあ、今日はなんだか眠れない。眠れない人の横にいる人間の方が眠れなくなっている不思議。

眠れないと思いながら、いつのまにか眠ってしまったようだ。通常の起床時間より少し早く、夫が起きた気配がした。「(災害や緊急の呼び出し)大丈夫だったみたいだね」と枕元のスマホを見て安堵した声がした。私もすっかり安心してふたたび……。

寝坊した。目が覚めたら子どもを送り出す時間。夫も私も叫びながら動き出す。慌てて子どもを起こし身支度するように指示、学校に電話を入れる。「すみません今起きました」と寝起きの声で謝ると、事務員さんは「はいはい、大丈夫よ。気をつけていらしてね」と笑ってくれた。

週末にシェラトンでパンを買っておいてよかった。冷凍していたトマト入りのパンを焼き食卓に並べる。急な発熱用に買い置きしているパウチタイプのゼリー飲料もこういうときに使える。みんなが食べている間に、前の日の作り置きおかずとご飯をお弁当に詰める。化粧はアイラインだけ。

子どもの学校は、決まった時間に登校できなかった場合は保護者が学校に連れていく決まりになっている。夫に詫びながら子どもと出発する。マンションのエレベーターで子どもの髪型や身だしなみの最終チェック。遅刻ながらも、ママと一緒に登校できる、と子どもは少し楽しそうにしている。昨夜の気配とうって変わっての青空。もう蝉の時季は終わったと思っていたけれど、ほんの少しだけ声が聞こえる。

寝坊したから気づけたこと。