ケサランパサランの正体

お彼岸はきっちり墓参りか寺院に行くなどして先祖を敬うのが我が家のルールである。婚家の墓は遠方の山奥にあり、今年のお盆は近隣の寺院に・お彼岸には墓参りをすることにした。

自宅最寄り駅へ向かう道すがら彼岸花を見かけ「本当に彼岸花が咲いているね」と話す。電車からも山奥へ向かうほどに彼岸花を見かける回数が増えていく。彼岸花は線路沿いや田んぼのあぜ道・木の陰に咲いていることが多いと気づく。そういえば私の田舎もそうだった。日常すぎて「どんな場所に咲いているか」なんて考えたことはなかったけど。

墓は台風直後とあって荒れ放題であった。我々は葉っぱや草を箒で掃く。ヘタの部分だけ落ちた柿はカラスの仕業だろう。アリがワラワラたかっている。災害用の水運搬バッグ(未使用時は折りたためて便利)に汲んできた水で墓石をきれいにする。

ふとみると、ふわふわと細く長い綿毛のようなものが浮いていた。タンポポの綿毛ほど密集していない。地面に落ちるかと思いきや再びふわりと浮き上がり横に移動した。どういうことだ、綿毛ではないのか。もしかして虫なのか。私はそれをチラチラ見ながら掃除をする。子どもが近くに寄ってきて同じように綿毛を見て驚く。やっぱりコレ虫だよね?いざ捕まえようとすると何処かに行ってしまった。

帰宅しながら「あんな虫居たよな、なんて名前だったっけ?」と考えていた。雪虫はもっと虫らしい姿をしているから違う。帰宅し検索すると「ケサランパサラン」という言葉を思い出した。これだ!でもケサランパサランは実在するわけではない妖精的な扱いをされている。まさかそんな非科学的なものを目撃したとは信じがたい。

さらに調べると、正体はアザミの種だとするブログに行き当たった。確かに私の見たものによく似ている。残念ながらツチノコのような謎の生き物を見つけることは不可能だったが、動きは非常に虫であった。あの綿毛の形状が虫っぽい動きを生み出しているのか。しかし一瞬だけでも妖精に出会えたような気持ちが味わえてよかった。