文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作り始めました。

「あなたの郷里の子」

ヘアドネーション以来、新年初の美容院に行ってきた。「あれ、おくれましたか?」と美容師さんに訊かれ「ん?遅れ?」と思ったら、ヘアドネーションの髪を発送できましたか?という意味だった。そうそう、ちゃんと受領書が先方から送られてきたんですよという話をする(私の送付した団体は、希望者には受領書が送られる仕組みになっていた)。

自分の田舎に比べたらこの街は都会だけれど、結構狭い。独身時代に利用していた近所の美容院は偶然にも同じ中学の二学年先輩が担当だった。出身地の話になり「いや、ものすごく田舎なんでご存じないと思いますけど」と言いながら話したら同じ中学だったという。美容院に行くたびに共通の知人の話で盛り上がった。

現在通う美容院、つまり今の自宅付近ではそんな出会いはないだろうと思っていたのだが、年末年始の話をしているうちに担当さんのおばあちゃん宅が田舎宅の近隣にあることが判明した。さらに担当さんは大慌てで丁稚の男の子を呼ぶ(私は心の中で、アシスタントの人を丁稚と呼んでいる)。丁稚くんは私と同じ町の出身だった。

彼は「名字を言っていただければ、(私の素性が)絶対にわかります」と自信たっぷりに言った。「いやー、世代も違うし、私は親戚の家に住んでたから知らないと思うよ?」と言いながら旧姓を伝えた。丁稚くんは思い当たらないといった表情をしている。「親戚の家は○○って言うんだけど」と親族の名字を告げると、顔がパッと明るくなった。「△△ちゃんとはスイミングスクールが一緒で!」なんと、現在大学生である私のイトコを知っていた。丁稚くんの面目躍如。そしてまたしても同じ田舎の人に出会ってしまったことに驚愕するのであった。

そんな丁稚くんに担当してもらうシャンプーとヘッドスパはいつも以上に充実したものを感じた。技術は一緒だろうに、同郷と思うと不思議と「がんばれよ」とか「こうやって丁稚からスタイリストに成長していくんだな」などと参観日のような気分だ。先日「白いばら」の記事を読んだけれど、あのキャバレーの「あなたの郷里の娘を呼んでやって下さい」の気分に近いかもしれない。でも私はわざわざ同郷の子を指名したりはしないし、ただシャンプーされたり髪の毛を乾かしてもらうだけなのだけど。

↑この記事の筆者があの「折原みと先生」であることにも注目。あの、私の小学生時代に講談社X文庫 ティーンズハートで絶大なる人気を誇った折原みと先生!お久しぶりっす!