文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作り始めました。

現段階の日本は結婚して夫婦どちらかの姓を名乗るわけで、私は夫の姓を名乗ることを選んだ。苗字も住所も変わるので会社内での手続きや銀行口座やパスポートや免許証、役所関係の手続きをする煩わしさはあったけど、少しスッキリした気持ちがあった。新しい私。古い苗字を脱ぎ捨てて生まれ変わったような感覚。

なるべくネット上での本名プレイは避けてきたし、受賞するとか栄光の記録があるわけでもないので、旧姓や現姓のエゴサーチで出てくるのは同姓同名の知らない人ばかり。良かった良かった。

それでも時々不安になることがある。もし過去に断ち切った人々に見つかってしまったらどうしよう、と。独身時代に嫌なことばかりで距離を置いた同級生が、突然友達ヅラしてやってきたら。昔付き合っていた人が今の生活を侵害してきたら。

そんなことない確率の方が高い、気にしすぎなのは分かっている。しかしそれに近い経験が無かったとはいえない。私は悪いことはしていないのだから堂々としていればいいと思う一方、逆恨みの恐怖もある。

いまはすっかり現在の姓で呼ばれることにも慣れた。むしろ旧姓で呼ばれると不思議な気持ちになる。このままずっと穏やかに暮らしたい。現在の姓は私の心の安定を表しているかのようだ。