文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作り始めました。

クッキーファクトリーにて

子どもの学校で保護者の作業に取り組む際、偶然知っているお母さんとペアになった。前にも同じクラスで、お互いの子どもが入学当初から不安で泣いたり大人しかったりするタイプ。何度か話すたびにお互い励ましあっていた気がする。今回は「お互い成長しましたねぇ」と感慨深い気持ちになった。

春、卒業式や終業式も近づきいよいよ新年度に向かうという感覚。さくらんぼの木の花(すなわち桜なのだが)も咲いている。転勤で遠くに引っ越す馴染みの人もチラホラ。今週来週はお別れモードで、我が家は最後の贈り物としてクッキーの大量生産体制に入っている。

子どもにクッキーの型抜きをさせ、焼きあがったら何色かのチョコペンでデコレーション。似顔絵風にしてみたり、イニシャルを入れてみたり。失敗したらクッキー全面にチョコペンを塗りたくり、その上からまた別の色のチョコペンで絵を描けばOK。完全に子どもに任せるとグロテスクになってしまうものもあるのだが、食べると至って普通のチョコの味。

こうやって子どもと作業しながら、お別れするそのお友達との思い出を話す。私たちは引っ越すことがあったとしても、おそらくずっとこの市のなかにいる。きっとこれからもずっとみんなを見送り、また新しい人を出迎えていくのだろう。子どももいつか大きくなり独り立ちする、そのときも。私はそういう人生を送っているのだなとクッキーを作りながら考える。