文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作り始めました。

「ある指導員」終了のとき

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画像はフリー素材です(Canvaを使っていますよ)

「仕事と恋愛は似ている」と、今まで何度も耳にしてきたようなことを書いてみる。

「ある指導員」の職務最終日は突如訪れた。しかし、このブログにも書いていたようにずっと「試用期間での終了」の気配を感じ取っていたため、驚きはしなかった。「交際していた人に突如別れを告げられながらも、以前から二人の関係が上手く行っていなかったことから驚きはしなかった」と同じ状況である。

私の仕事ぶりが悪いとまでは言われなかったが「繁忙期も近づき、あなたの指導に思ったよりも時間がかかりすぎるので、(これだけ指導に時間を必要とする)あなたにこれ以上お仕事をお願いするのは難しいです」とのことだった。採用時に想定したより飲み込みが悪いということなのだろう。

私の隣の席には、同じように上の担当者から指導されている指導員の先輩がいた。「ここ間違ってましたよ〜。こんな風にしなきゃだめじゃ〜ん」「あっすみませ〜ん、忘れてましたぁ」と軽いやり取りをしている。私がついさっきまで担当者から言われていたのと全く同じ内容。でも、やり取りは随分違う。この人も結構時間がかかっているのにな。

不条理を感じながらも、結局見限られたことに変わりはない。予感のしていた私は既に契約時に借りていた書類などを全て持参していた。「そんなこともあろうかと思いまして!」と半分笑いながらその書類を机に置く。これには私の指導担当の人も驚きと笑いの表情を浮かべていた。

「じゃあ最後の給与明細出ましたら郵送します」「はい、お願いします」別れが決まれば爽やかに会話が進む。「せっかく時間をかけていただきましたのに、申し訳ありませんでした」と伝えると、「いや、丁寧にお仕事していただいていたのに……こちらこそ申し訳ありません」と返ってくる。本当にそう思うんだったら引き続き雇用しろよとツッコミたくなる気持ちを胸の中に留めて、礼をする。

フロアの他の人たちに「お先に失礼します」と会釈しながら去る。すると大抵いつもは「はい、またお願いします」と返ってくる。この日も惰性でそう返してくる人たちがいた。いや、もう来ませんけど。中には言いかけたあと気づいて「またお願い……あ、ありがとうございました」と声を掛けてくれる人もいた。あなたは先ほどの私たちの会話を聞いていたのですね、と思いながら小さな会釈を返す。

この仕事が私に向いているか・いないか以前に、この職場には縁が無かったのだろう。仕事も恋愛も、相手に解雇/別れを告げられると「自分ってダメな人間だ」と思いがちだが、決してそんなことはない。そう書くと「こいつ指導員クビになったくせにポジティブすぎるだろ」と嘲笑されそうだが、仮に向いていたとしても、この環境では指導員をやっていけなかっただろうなと思う。

仕事は無くなってしまったが、幸いにも子どもの冬休みや年末年始のドタバタに集中できる環境になった。2月の文学フリマ広島で販売する本のこともゆっくり考えられる。焦らずタイミングをはかろう。そうそう、恋愛だってタイミングが大事だもんね。やっぱり仕事と恋愛は似ている。