文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作っています。

赤い腕時計

子どもが玄関に置き忘れたものを学校に届けて、その足で街に来た。オフィス事務器の店で文学フリマのチラシをコピーし、裁断する。節約のためB4にB5を2枚印刷したのだ。裁断機の使い方に手こずる。昔ながらのギロチンタイプではなく、手指を傷つける危険性が低い新しいもの。

最近、地元のお土産ものはアンテナショップのようなお土産総合店舗で買うことが多くなった。それまではあの朝市のような雰囲気に懐疑的だったのだけど、品揃えはダントツでココ。駅や百貨店で見かけないレアなものもある。自宅用にも調味料とふりかけを購入した。

そしていま私はスターバックスで甘い甘い飲み物を飲んでいる。お店のお姉さんが「ラズベリーホワイトモカは今日までなんですよ。飲んでいただけて良かったです」と言う。ここのところ甘いものを極力少なくしていたから、あたたかく濃密な甘い液体が体に沁みる。

周囲に目をやると、会社員らしき若者がピシッと背筋を伸ばしてノートパソコンに向かっている。その手前で妊婦さんが母親らしき女性とスコーンを頬張っている。今は確かに平日の午前中だ。

これから私は赤い腕時計の電池交換に行こうと思っている。この時計を買ったのは、あるとき『暮しの手帖』の「すてきなあなたに」のコーナーに赤い腕時計の話が載っていたのがきっかけだ。赤い腕時計は目立つから失くさない、そしてポイント使いに良い。

時計は携帯電話で充分と思っていたが、実母の見舞いで病院に出入りする際に必要となり、この「赤い腕時計」のことを思い出し購入した。以後、時計を持ちたがった我が子が駅に置き忘れても、ちゃんと手元に戻ってくる。その後さらに購入し三年使った黒の電波ソーラー時計(これもお気に入りだった)は失くしてしまったのに。やはり赤は失くさないのだな。赤に敬意を払い、赤を大切にしていこう。