文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作っています。

カフェデュモンドのチコリコーヒー

近々子どもを連れてライブに行く。我が子の大好きな大御所ミュージシャンのライブ、いつもと違うハコだからかなりの倍率とは聞いていた。新学期始まって早々の平日だし「チケットは当たらなくてもいいわ、一応応募だけ……」と思いながら申し込んだところ、当たってしまった。そんなときに限って当たるとはいうけれど、本当に当たるとは。奇跡的にライブ当日も翌日も授業が短め。しっかり体を休ませてライブに挑む予定。

「家でご飯を食べさせて行くから、夕ご飯作って置いておくようにするよ」と夫に言ったけれど、せっかくだから外で食べておいでよ俺も外食するし、と言われた。というわけでライブ会場近辺の飲食店をチェックする。近くにショッピングビルもあるし、若い女の子が仕事帰りに友達と会うのに使いそうなカフェのご飯でも食べるか、などと考える。自分が会社員の頃、そんな店で時々会ってた取引先女子のことを思い出す。彼女はファッションも音楽も抜群のセンスを持っていて、その界隈のスペシャリストに発掘され導かれるように上京した。今も元気に音楽活動しているのはSNSでも伝わってくる。

そうだ、あのビルにはカフェデュモンドがあったんだ、と私は突如思い出した。と同時に舌に蘇ってくるチコリコーヒーの味わい。チコリとは、あのハーブのチコリのこと。味も好きだったけれど、利尿作用などのメリットもある。好きすぎてカフェデュモンドにチコリコーヒーの缶を買いに行くこともしばしば。年始の福袋に入っていたひざ掛けは今でも車で愛用中。でも何で今は買わなくなったんだっけ。

そこで検索して思い出した。異物混入があったことから、カフェデュモンドでチコリコーヒーが販売中止になったのである。店内で飲むことは出来たけれど「もう販売はしていません」と店員さんに告げられガックリしたのを思い出す。さらに私自身が出産・育児を経て、ファッションビルからすっかり足が遠ざかっていたばかりに、店自体も無くなってしまったことに気づかなかった。そう、日本国内のカフェデュモンドは現時点ですべて閉店してしまったのである。なんてことだ。もうあの熱々のベニエすら食べられないのか。初めて食べたとき「なんだか腹持ちしないな」と中学生男子みたいな感想が湧き上がったことでおなじみのあのベニエすら。

チコリコーヒー自体は他のメーカーでも販売しているからそれを買えば良い。しかしもう、ふらりとカフェデュモンドに行くことは出来ない、この悲しみ。もし食べたければ、ニューオーリンズの本家カフェデュモンドに行くしかない。ふらっとニューオーリンズまで行く財力、私には無いよ。仕方がない、この日は同じダスキンミスタードーナツに行き「顔中に砂糖つけてドーナツ」を食べてライブに向かおう。