文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作っています。

手が届きそうな場所

産後初のライブハウス。モギリと同時にドリンクチケットを買うスタイル、久しぶり。子ども用にジュース、私はミネラルウォーターを引き換え。窓から街を見下ろしながら話す。

前にここに来たのは浜田真理子さん、BONNIE PINK、それからSAKEROCK。どれも10年近く前の話。浜田真理子さんのときはちょうど街の花火大会が開催されていた夜。終演後に真理子さんが「わあ〜花火〜」とロビーに現れ窓の外を眺めたほどだった。

座席はラッキーなことに真正面。列も一桁台。そもそもこの空間に入ることの出来る人数ははるかに少なく、手が届きそうな場所にあのミュージシャンがいる。歌うたびに、話すたびに、まるで自分に向かって伝えてくれているような錯覚に陥る。

開演前、後方からの話し声が気になった。このミュージシャンと個人的に親しくしているような話しぶりをする人。「ミュージシャンがメディア出演している最中(収録済を流している)、自分と電話しているという状況が面白い」というようなことを言う。事実にしても、そうでなくても、客席では聞きたくなかった。もしかしたら、後方の人は関係者として招待されたのかもしれない。

しかしライブは本当に、本当に素晴らしいものだった。ホールとは違う、ライブハウスゆえの近さ・音の素晴らしさ。楽器も少ない分、その音の良さがはっきりと現れている。素人ながら、これが本物のミュージシャンなんだと感じさせられる。「長く一緒にやっているとアイコンタクトしなくても分かる」とMCで言っていたけど、実際そうであった。

我が子は知っている曲も知らない曲も喜んでいる。さすがにMCは理解できない大人の話もあり若干眠そうにしていたが、音楽は年齢関係なく楽しめると今回も実証してくれた。MCでも「若いお客さんもいて、どんな曲をやったらいいかと考える」ということを話されていたが、もう、そのままでいいのですよ!一番若いのが充分楽しんでいますよ!と伝えたい気持ち。

後に、我が子に「何が一番良かった?」と訊くと、ある曲を演奏する際、そのミュージシャンが一人であれもこれも忙しく楽器を持ちかえ演奏するさまに興味を持ったとのこと。あれは普段から我が子が自宅で演奏している様子と非常に似ていて、なんだか面白い。

午後10時の終演。慌ててタクシーに乗り帰宅する。今夜の我が子の入浴は首から下だけシャワー。あのセルフカバー曲を歌いながら大急ぎで寝る支度。明日も普通の一日がやってくる、だけどなんだか特別で違う一日になりそうな、そんな予感。