文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作っています。

キッチンタイマー

ブログ開始当初の、ほぼ毎日のペースで更新していたころの記事を読み返すと「キッチンタイマーで30分をはかり、誰もいないキッチンでノートパソコンに向かって時間内にブログを書く」というような内容が出てきた。そうそう、最初はそのようにして、まるでエクササイズに挑むかのように書くことが多かった。それにより「ブログを書く習慣」がついていった。

書く時間が取れない時は移動中のスマホで、また子どもの寝かしつけ時に布団の陰にスマホを置いて…など、工夫してブログを更新してきた。その結果、机でビシッと姿勢を正しブログに挑むという雰囲気は消えていったように思う。(自分から見て)過去の文章の方がキレがあるように感じられるのはそのせいかもしれない。よし、久々にキッチンタイマーを使ってみるか。

この季節を冬と呼ぶべきか春と呼ぶべきか。年に数回訪れる微妙な気温の日々である。子どもを寝かしつけ、残った夕飯の洗い物をしなくちゃな、でもダラダラとネットして遊んでから……などと考えていると夫が帰宅した。

仕事の飲み会であった夫の手にはコンビニのビニール袋がぶら下がっている。ちょっとしたおやつが二つ。わーい、お土産ありがとうありがとうと言いながら珈琲を淹れる。まだ夜は冷えるから、温かい飲み物が嬉しい。甘いものを夜中に食べる背徳感とご褒美感。

食べた勢いで洗い物をしていると、スマホを手にゴロンと横になった夫が「あれ?わたのはらさゆさん……ツイッターやってんじゃん……!」と驚きの声をあげた。あはは、そうだよ?やっと気付いた?と私は洗い物をしながら笑う。

文学フリマで本を売っている」「その本を広島蔦屋書店のリトルプレスフェアでも取り扱ってもらってる」ということを夫には伝えていたが、それ以外のことは言っていなかった。もし「ツイッターやブログもやってるの?」と聞かれたら答えようと思っていた。今回、夫は酔っ払った頭で「わたのはらさゆ」をツイッター検索して気付いたようである。

「わーツイッターに(他の人から私の本のことを)いっぱい書いてもらってるじゃん」「ブログこんなに書いてるの!?いつからやっとったんよ、書きすぎじゃろ」などと言いながら、夫が私の書いたものを読んでいる。

ああ恥ずかしいなあ、いつ誰に読まれてもいいようにと思って書いていたけど、実際こんなに近くで読まれると恥ずかしい。じゃあ遠くで読まれたら恥ずかしくないのかというと、そういうわけじゃない。こういうときみんな、読みながらすごくニヤニヤした顔をする、あの顔を見るのが恥ずかしいのだ。みんな『ついでにとんちんかん』の「ぬけさく先生」のような目をするから。

案の定、夫もそういう顔をし、私のブログを読み上げる。「読まんでいい!恥ずかしい!早く寝るかお風呂に入りなさい!」私は洗い物を中断し、濡れた手で夫のジャージをぐいぐい押した。

隠し事をしていたわけではないけど、やっと夫に言えたことで私は安堵していた。ブログは「いつか我が子が大きくなったとき読まれても大丈夫なように」とも考えていることを、夫に伝えることも出来たから。まだまだ生きる気満々だけど、人間の命や健康に絶対はないことは明らかだ。もしものために伝えることが出来てよかった。

キッチンタイマー作戦は頓挫した。いま私はバス停でこれを書いている。図書館の返却締切を忘れていたのだ。午前中には返却しておきたい。空気は冬で日差しは春。変わらぬ日常のようにみえて、やっぱり季節は動いている。

広島の蔦屋書店(LECT)で開催されているリトルプレスフェアにて、私「わたのはらさゆ」の本をお取り扱い頂いております。

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(↑ここには写っていませんが、いまは新刊もあるはず!『こけし時代』じゃないよ。


リトルプレスフェアは4/10まで。是非お出かけください。私も他のリトルプレス本を買っちゃったので、また後日改めて戦利品報告等させてくださいね。

詳細は↓リンク先にて。

store.tsite.jp