文化的生活の記録

「旅文学」の小さな本を作っています。

地味服にスカーフ、毛皮にスニーカー

年をとると顔の周辺の華やかさを求めがち」という話を以前書いた。それに関連して、ここ数年スカーフやストールが欲しいという欲求と戦っている。

ちょうど春夏だからというのもあるだろう。この5月は特に暑く、昼間は薄手の服でないと過ごせなかった。しかし夜は寒く、かと言ってちょっとした羽織物を持つのは荷物になる。

現在、私の着ている派手な服はボタニカルブームの時に買った花柄のブラウスが一枚。それ以外はだいたい黒・グレー・白・ネイビー、時々マスタード色だのカーキだの。柄もボーダーやストライプ、稀に小さなドット。もういっそのこと地味な色だけを着て、鮮やかなスカーフやストールをポイント使いするのが良かろうと思ったのだ。

というわけで手持ちのスカーフと服を合わせてみたり、各ブランドの小物をチェックしたり、通販サイトを検索して回ったりした。素敵だけれど、羽織としても使うならビッグサイズのスカーフもしくはストールが良かろうと気づいた。そこでふと「スカーフはエトロを買いなさい」という言葉を思い出す。言った人がどなたであったか失念してしまったが、ピーコさんか山田詠美さんのどちらかだったはず。飛行機でも使えるから良いぞとどこかに書いてあった記憶がある。

私がピーコさんと山田詠美さんを同時に思い出すのは高校時代に『メイク・ミー・シック』を読みふけっていたからで、その後お二人は『ファッションファッショ』という本も出されている。

当時、『メイク・ミー・シック』を読みながら、山田詠美さんの毛皮にスニーカーを合わせる粋なファッションが素敵だなあと思っていた。自分はそういう格好はどうやっても似合わないし、大人になっても多分無理だろうとわかっていたが、そんな「ハズし」のうまい人間になりたいとは考えていた。

大人になったせいか、それとも時代の変化のせいか『メイク・ミー・シック』の内容が自分に合わなくなり手放してしまったが、ピーコさんが山田詠美さんにかけた言葉や「毛皮にスニーカー」の心意気への憧れは未だ心の奥にしまってある。

憧れたり影響を受けた人のファッションや考え方をそのまま真似る必要はなく、自分に合った方法で取り入れれば良い。毛皮にスニーカーのファッションはしないけれど、スカーフに関してはエトロを店頭チェックしてみようかなと思う次第だ。

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それにしても、高校生が教室で『メイク・ミー・シック』読むなんて、背伸びもいいところですね。しかし、『放課後の音符』を読んでいた当時の女子高生は多いはず。「恋愛至上主義」に唾をかけるような思想だった私もあれらを読んで丸くなったから、意味はあったのではないかと思います。でも、別の意味で「恋愛をするしないも自由」な世の中になった今、あれらの本は古典となり愛されていくのかもしれません。

メイク・ミー・シック (集英社文庫)

メイク・ミー・シック (集英社文庫)

 
ファッション ファッショ (講談社文庫)

ファッション ファッショ (講談社文庫)

 
放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)